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2012年7月 7日 (土)

いじめ?

 昨年10月の大津市の中学生の飛び降り自殺についていじめが原因かどうかいろいろ議論があるようである。

 継続的にいじめを行い、キャッシュカードの暗証番号まで聞き出し、日常的に金銭を奪っていたという。挙げ句の果てに自殺の練習を再三強要された上に自殺したのだと云うことが多くの証言から明らかになった。この生徒は担任にもたびたび電話などで事態を訴えて相談していたとの報道もある。

 市の教育委員会は、「いじめの実態を承知しながら見て見ぬふりをしていたなどということは絶対にあり得ない」とおっしゃっていた。責任を認めないためにはそうとしか云いようがないのだろう。
 これからマスコミは学校と教師、そして教育委員会のバッシングをエスカレートさせるだろう。

 問題点が二つある。

 一つは明らかにこれは通常の概念のいじめなどとは全く違う明らかな犯罪行為であることだ。未成年で、しかも学校が関連するとたちまちマスコミは「いじめ」問題として取り扱い、教育問題にしてしまう。だが少なくとも今回の事件は通常の犯罪として警察が取り扱うべき問題で、このような事件を犯した少年(いじめた側の少年)のような子供は学校や担任には手に余る問題だ。それに対する何の権限も実力もないだろう。この子供の親も学校や教育委員会に圧力(云えば脅しだろう)をかけているようで普通ではない。
 

 二つ目はマスコミの問題である。マスコミはこのような事件の時にはこのように反応する、と云うパターンにとらわれている。するとふざけあい程度のいじめと、このような犯罪との区別が付かないことになり(味噌も糞も一緒という奴だ)、犯罪を犯している少年は恐喝ではなくていじめと思い込むことで罪の意識を軽くしてしまう。本人にしたら実際に手を下して殺していないのになぜこんなに騒がれるのだろう、などと考えているかも知れない。当然自宅には脅しや嫌がらせの電話は殺到しているものと思う。

 ところで犯罪は個別の問題である。いじめは社会問題である。マスコミは社会問題として大所高所から批判をすることを好む。そのために少年犯罪を犯したものは犯罪に見合う制裁を受けることなく、それこそ社会のひずみの被害者の如き取り扱いを受けたりする。まともな精神の人には受け入れがたい事後処理がなされ、被害者とその家族は泣き寝入りせざるを得ないことが多い。これが社会不安を引き起こすエネルギーとしてたまっているような気がする。その現れが加害者や学校に対する匿名の正義の味方の嫌がらせや脅しである。

 まずこの件については警察に一任して犯罪行為を明らかにして加害者を断罪するべきである。警察もマスコミにおもねることなく、するべきことをするべきで、マスコミもねじれたおかしな口出しは控えるべきであろうと考える。そうすることが加害者の社会に対するゆがんだ観念を是正することにつながり、社会一般に対しても良い貢献をすることにつながるのではないか。

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