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2012年7月30日 (月)

映画「ウオーリア&ウルフ」2009年中国・香港・シンガポール・日本合作映画

 監督・ティエン・チュアンチュアン、出演・オダギリジョー、マギーQ。原作は井上靖の「狼災記」。

 舞台は紀元前の秦の始皇帝の時代、のはずだが、一切説明がないまま映画は進行し、フラッシュバックの手法が多用されるので原作を読んでないと何がなにやら訳が分からない。映像はとことん暗い。これはこのダークファンタジーの物語にはマッチしているはずなのだが、ますます物語の展開の意味が読み取りにくくなっている。

 北辺に敵対する部族を制圧するために派遣されている部隊は、冬の到来と共に一時帰国することが許される。春までは北からの侵攻が止まるからだ。その一時帰国の部隊は早めに到来した吹雪で途中の不気味な村に非難を余儀なくされる。部隊を率いていた陸(オダギリジョー)はたまたま徴発した小屋にいた女(マギーQ)を手込めにする。女はこのハラン村の人間は村人以外と交わることは許されていない、と嘆く。そして掟を破った人間は狼になるというのだ。この辺からほとんど暗くて見にくいポルノ映画になる。延々とその女とオダギリジョーとの交情シーンが繰り返される。物語の展開上必要なシーンであることは認めるがいい加減うんざりした頃から初めて物語らしい出来事が立て続けに起こるのだが、そこまで我慢が出来るだろうか。

 ちょっとこだわりすぎてエンターテインメントの枠を外れてしまった映画だが、一部の人には多分高く評価されるに違いない。わかりにくいことが高級と勘違いする裸の王様みたいな人が必ずいるものだ。私は即消去。残念でした。

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