「清末見聞録(清国文明記より)」・長安紀行・再入洛陽
十月二十一日、空はまた曇っている。午前六時半、新安を出発して澗水を渡り、行くこと五里、路の南に秦の甘羅の墓がある。碑の高さ三尺、題して秦甘上卿墓と云うここから坂道を上りきれば八陡(はちとう)村である。さらに行くこと三十里磁澗鎮に入って休憩する。鎮を出ていくらも経たないうちに雨が激しくなった。馬を急がせて谷水鎮に入り、雨を避けてまた鎮を出れば、東門外三、四里のところに朱買臣の墓がある。石碑に題して漢丞相長史朱買臣神道と云う。雨がさらに激しくなる。十里舗に入り、草を焼いて衣の濡れたのを乾かし、暖をとり、再び疾駆して午後四時、洛陽に着き、東関北、高陞店(こうしょうてん)に入る。
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