葉室麟著「オランダ宿の娘」(早川書房)
オランダ宿とは、江戸にあって、四年に一度オランダの使節が江戸城の将軍や大名に拝謁する際の定宿であり、長崎屋という。
物語はその長崎屋の二人の娘の姉るんを中心に描かれているが、視点はるんに限られているわけではない。そこで出逢った人々の出会いと関わり、そしてやがて起きる奇怪な事件が、のちに有名なシーボルト事件へとつながっていく。
シーボルト事件の連座により、多くの有為な人が不幸な末路を辿る。その事件の裏にある真相が前半のいろいろな事件との関わりの中で明らかになる。
出だしに江戸の大火の話が語られる。話で聞いていたよりも実際の江戸の大火の被害は大きなものであったようだ。物語に大火も大きく関係している。
るんの妹の美鶴は不思議な能力を持っている。人に見えないものが見えるのだ。これは超能力と云うことではなく、人一倍感応性が高い、と云うべきか。
人生は有為転変、その中で愛と信念があれば人はついに過酷な運命を生き抜くことが出来る、と葉室麟は語っている。
この数日、本を読む集中力が途切れなくなった。精神のスタミナが若いときに戻ったようだ。酒を控えているからだろうか。その代わりほとんど出歩かないので運動不足で体重もリバウンドしてしまった。
本日は内科の定期検診日。体重が増えたことで一言あるだろうが、血糖値や血圧は問題ないだろう。この粗食で問題があったら何を食べたらいいか分からない。
水曜日頃から少し動き回る予定である。ブログの更新が少なくなりますが、勉めて発信を心がけるつもりなのでよろしくお願いします。
特に来週は山の中や温泉に行くのでネットがつながらないこともあり得ます。当然ニュースも収集しにくくなりますので了解ください。
さあ、もう少ししたら病院へ出かけよう。今朝は絶食、水だけ。どうせ半日ほとんど待ち時間だ。またゆっくり本が読める。
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