NHK時代劇ドラマ「慶次郎縁側日記2」第七話
「当たりくじ」 左七が楽しみにしている富くじの当たりを確かめに慶次郎は頼まれて谷中の寺に行く。寺で富み突きが行われているのだ。当たりくじが読み上げられるその中で浪人風の男が突然倒れる。慶次郎は慌てて助け起こすが、悲鳴と共にその男にすがったのは慶次郎もよく知る花ごろもの女中・お秋だった。慶次郎はお秋と共にその浪人・小野崎源三郎・佐野史郎を長屋に担ぎ込んだ。
源三郎は不始末で藩を追われた浪人である。富くじだけが生きがいで、内職による稼ぎを食べるものも食べずに富くじに当てていた。慶次郎が呼んだ医者の見立てではかなり衰弱しており、このままの生活では余命も限られる状態だという。そんな源三郎にお秋は入れ込んで花ごろもの食材をくすねてまで源三郎の元へ通う。花ごろもの女将、お登世は仕事に身の入らないお秋を叱責し、なぜあんな何の取り柄もない浪人に入れ込むのか、と問い詰める。
貧しく、病で明日をも知れぬ身でありながら富くじの当たりの読み上げの前の一瞬の興奮に、生きている実感をスパークさせている源三郎だが、その源三郎と一緒に居ることに心からの幸福感を覚えるお秋の不思議な関係を慶次郎は陰ながら見守っている。
やがて慶次郎のもとに源三郎と覚しき侍を探すような依頼が持ち込まれる。藩を追われた源三郎の嫌疑が全て晴れたので帰参が叶うのだという。慶次郎はそれを源三郎に伝えるのだが、源三郎は今の方が幸せであるから、とそれを拒否する。慶次郎は源三郎は見つからない、と依頼人の老人(なんとあの大木実・久しぶり)に回答する。
その歳最後の富くじ突きを源三郎はお秋と慶次郎に抱えられるようにして見に行く。至福の時が過ぎ、やがて源三郎は息を引き取る。源三郎の遺髪を老人に渡し、お秋は花ごろもに帰って行く。
花ごろもはお秋が抜けていたために客あしらいなどにほころびが出始めていたが、お登世はお秋をはじめとした使用人達がいてこその花ごろもであることを改めて実感し、それを皆に云うことでお秋を温かく迎える。そして人の幸せの意味をお秋に教えられた思いがする。それは自分と慶次郎の間に吹き始めたすきま風を埋める新しい思いでもあった。
しまった。最後までストーリーを書いてしまった。止めようがなかった。
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