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2012年7月26日 (木)

映画「ハンナ」アメリカ・イギリス・ドイツ合作映画

 監督・ジョー・ライト、出演・シアーシャ・ローナン、エリック・バナ、ケイト・ブランシェット。

 フィンランドの極北の森林の中で父親(エリック・バナ)と二人だけで暮らしている16歳のハンナ(シアーシャ・ローナン)は小さいときから闘争の技を父親に仕込まれていた。
 その父親は元CIAで、ある事件をきっかけにCIAから脱走して身を隠していた。父親と娘が母親の敵として狙うのはCIAのマリッサ(ケイト・ブランシェット)である。
 CIAをおびき寄せるためにあえて信号で存在を知らせる二人。二人の山小屋をCIAのヘリコプターが急襲するがエリックは脱出し、ハンナはとらわれの身となる。そしてわざとCIAに連れ込まれたハンナはマリッサに会いたい、と頼む。そこへ現れた女性にマリッサしか知らない質問を浴びせてその女性の答えでマリッサであることを確認した瞬間ハンナの爆発的な闘争が開始される。
 CIAのアジトから脱出してみればそこはなんと北アフリカ・モロッコのマラケシュであった。キャンピングカーで旅する家族にかくまわれて辛くもCIAから逃れたハンナが向かう先は、父親との約束の地、ベルリン。
 父親のほうも苦難の末ベルリンに向かうが、そこでハンナが倒したと思ったマリッサがまだ生きていたことを知る。父親はマリッサを倒すためにCIAに護られているマリッサに迫っていく。

 果たして父親とハンナは出会えるのか。父親が身を隠したきっかけとなった事件、ハンナの母親が死ぬことになった事件とは何だったのが、なぜそこまでしてマリッサを倒さなければならないのかが最後に明らかにされる。

 非常に面白い映画なのだが、ハンナの闘いにもっと狡猾さが欲しい。あんなに正面からばかり向かっていったらCIAの暗殺者にいつか殺されてしまう。父親ももう少しちゃんと教えてやれよと思う。物理的な闘争能力だけでは勝てないのに。

 ところで父親役のエリック・バナの菱形の顔を見てどこかで見た顔だと思ったら、2003年版の「ハルク」の主役だったのを思い出した。
 それとマリッサ役のケイト・ブランシェットはこういう冷たい女をやらせると絶品だ。特に神経質に電動歯ブラシで歯を磨き、歯茎から血を流しながらすさまじい顔をするシーンはとても怖い。あんな顔、女優なのに良くやる、と云うか女優だからやるのか。

 映画としては面白かったけれど、もっと面白く興奮するような作品に出来たような気がする。

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