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2012年12月16日 (日)

荻上チキ「僕らはいつまで『だめ出し社会』をつづけるのか」(幻冬舎新書)

 副題・絶望から抜け出す「ポジ出し」の思想。

 どうもこう云う長い題名には良い印象を持てない。こう云う題名しかつけられない、と云うことは著者と出版社に知恵がたらないか、此処まで内容を明らかにしないと読者は馬鹿だから興味を引かないだろうと思っているのか、どちらかであろうと勘ぐってしまう。

 想像通り、云いたいことは題名と副題に言い尽くされており、この論点から隘路にある日本の現状からの脱出法を考えよう、ということである。犯人捜しや問題点探しだけでは物事は解決しないという指摘には全面的に賛成である。

 ただそのことにほんとうに気が付いている人が少数である現状の中で何が出来るのか。「あいつが悪い」「社会が悪い」「俺は運が悪い」「俺にも分け前をよこせ」と叫ぶ多くの人たちの中で、どのように世の中を変えていこうと云うのか。

 著者は具体的にどのように行動しているのか、それが最後に提示されている。これが一つの回答だ、と云うことで納得出来るかどうか。

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