映画「エレクトリック・ミスト 霧の捜査線」2009年アメリカ・フランス合作映画
監督ベルトラン・タヴェルニエ、出演・トミー・リー・ジョーンズ、ジョン・グッドマン、メアリー・スティーンバージェン。
アメリカ南部のバージニア州の田舎で未成年の売春婦の惨殺したいが発見される。地元刑事のデーヴ(トミー・リー・ジョーンズ)は捜査を開始するのだが、濃い霧に蔽われた森の中に彼は南部の兵士や将軍の幻影を見る。アルコール依存症からようやく脱したばかりの彼にとって、幻影は現実でもある。彼の捜査の様子がずっと映されるのだが、何となく中途半端であり、真実に近づいているのかどうかがいつまで経ってもはっきりしない。
やがてデーヴの昔の友だちであり、マフィアのつながりで財をなして再び生まれ故郷に帰っている男(ジョン・グッドマン)が捜査線上に浮かぶ。
そして再び惨殺死体が発見される。そんな中、情報提供者と名乗る女性から呼び出しがあり、呼び出されたデーヴはいきなり銃撃を受ける。反撃した後の現場に残されていたのは丸腰の女性の射殺死体だった。
さらに彼と間違われて女性が殺される事件も発生。それだけ彼の捜査が核心に迫りつつということでもあるのだが、題名の通り細かい部分は霧の中で曖昧なままである。それなのに夜の森の中で彼の見る南軍の部隊や将軍の姿はますますリアリティを帯びてくる。
事件が全て一応の解決を迎えた時、観客にだけ驚愕の事実がそこに提示される。多分そうなるだろうと思っていたが、それでも驚きである。
この映画は酷評する人が多かったらしいが、警察の捜査なんてこんなもので、私としてはそこそこ面白い映画だと思った。だいたい全ての事実が観客に明かされる、と云うことの方が本来あり得ないので、何となく事件が終わる、と云うこの形に不快感はない。
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