映画「しあわせのパン」2012年日本映画
監督・三島有紀子、出演・原田知世、大泉洋、平岡祐太、森カンナ、八木優希、光石研、渡辺美佐子、中村嘉葎雄、本田力、池谷のぶえ、中村靖目、あがた森魚、余貴美子、大橋のぞみ(モノローグの声)。
北海道洞爺湖を見おろす丘の上のパンカフェ「マーニ」を営む夫婦の元を訪れた人の物語。夏の物語、秋の物語、冬の物語の三つの話がオムニバス形式で語られる。そしてエピローグの春の物語が最後にさりげなく語られて終わる。
童話をプロローグとして、若い二人の恋の物語が語られる春の物語が始まると、大甘のスイーツのような、若い女性向けの夢物語を延々と見せられるのかと思った。幸いちょっとだけ我慢してみていたら夏物語の少女・未久(八木優希)の不思議な魅力に物語に引き込まれた。
全体を見ての評価を問われたら、○と言おうか今ひとつと言おうか悩ましい。結構感動して胸が熱くなったのだが、感動した、と云うことが照れくさいような気もする。
ラストの、矢野顕子と忌野清志郎の歌う主題歌が物語とものすごくマッチしているなと思っていたら、何と監督の三島有紀子がこの曲「ひとつだけ」にインスパイアされて脚本を書いているのだから当然だったのだ。
あがた森魚が不思議な常連客の一人として出ている。久しぶりであった。「赤色エレジー」以来この人、好きなのだ。「夢千代日記」でストリッパーのヒモみたいな役で出ていたのが忘れられない。
余貴美子がやはり不思議な地獄耳の芸術家役で楽しそうに出演している。
心が通い合う、と云うがその通い合い方にもさらに高次レベルの状態がある。そんな事が分かる人には分かる映画だった。
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