マスコミによる洗脳
中国のメディアが野田首相の退陣を前にして、「公約を履行出来ない上に公約にない消費税を強引に通過させた」と指摘すると共に日本のメディアもそれを批判するどころか荷担したという記事を掲載した。
1970年代に、消費税を導入していれば救えた財政危機を、日本のメディアが消費税に大反対の論陣を張って攻撃してやめさせ、今日の事態を招いたのに、今回は経済危機なのに手のひらを返したように公約違反の消費税導入を「やむを得ないこと」としていることは奇妙なことだ、としている。野田首相は完全に財務官僚の代弁者となりはて、脱官僚主義を唱えた民主党の公約と全く相反する行動をして国民との約束に背いたから敗れたと分析している。
当然と云えば当然の分析なのだが、「消費税増税はやむを得ないことだ」という、日本国民の過半数が多分共通で了解していることが、日本のマスコミの洗脳によるものであった、と云う可能性が大いにあることに気が付いた。
マスコミが積極的に国民を洗脳しようとするほどの意志を持っているとは思えない。それよりはマスコミが官僚からリモートコントロールされていると云う事、官僚のマスコミによる国民の洗脳の可能性、と云うことだ。洗脳、などと極端な言い方は違うかも知れない。ただ官僚達が国民にこう考えて欲しい、と云う意図のもとに発信する情報をそのままマスコミが流せば、結果的に世論は誘導される。
日本の記者クラブ、と云う存在を批判する本(マーティン・ファクラー「『本当のこと』を伝えない日本の新聞」)を先日読んだ。日本の新聞は官僚の発表する情報を鵜呑みにして垂れ流す傾向があることを批判していた。
野田佳彦という人が財務大臣になった時、またたく間に消費税推進者として財務省に取り込まれたのが見て取れた。私はその時点では消費税増税よりはやるべきことがあるだろう、と思っていた。それが何時の間にか増税やむなし、の意見になっていた。これでもか、と云う日本の負債の話の洪水に洗脳されていたのだ。
官僚は増税を渇望する。そして自らの予算が削られることを極端に嫌悪する。何の事はない、行政改革をすれば消費税は上げなくてすむ、と云って政権を獲った民主党は官僚の手のひらで踊らされて、行政改革は形だけ、官庁は無傷で消費税だけ上げることになった。官僚にとっては完勝である。
そして自民党が政権を獲った。
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