« テレビの沈黙シリーズ | トップページ | 結果は如何に »

2012年12月11日 (火)

椎名誠「地球どこでも不思議旅」(小学館)

 多分これが椎名誠の海外旅行記の最初の本である。

 プロレス好きの椎名誠が最初に選んだのがメキシコ、覆面プロレスラーの国だ。メキシコシティに降り立った彼はルチャ・リブレと呼ばれるメキシコプロレスの熱狂に圧倒され、テキーラを痛飲して猛烈な二日酔いとなる。メキシコシティは高度二千メートルなのだ。酸素の薄いところでは二日酔いがひどい。煙草を咥えさせられて胃袋をはき出す蛙のように、自分の胃袋を裏返しに吐き出して洗濯したくなるような二日酔いの苦しみは身に覚えのあるものにしかわからないだろう。

 次に京都を訪問。修学旅行以来の訪問で彼は京都をこき下ろす。京都タワーをこき下ろし、金閣寺をこき下ろし、八つ橋をこき下ろし、平安神宮をこき下ろす。何だかひねくれ高校生の修学旅行旅のようだ。良いところもあるのだが・・・。でもここまで徹底するとその痛快さに手放しで賛同したくなる。

 この調子で出雲へ行き、竜飛岬へ行き、四国の高松へうどんを食いに行く。手当たり次第にこき下ろしながら、しかしうどんだけは正直にそのうまさに感動している。

 次に大好きなラーメンのルーツを訪ねて中国へ渡り、ついにはシルクロードの街、敦煌まで行く。だが旨いラーメンに出会うことがなく、さまよい歩いた果てについにこれだ、と云う懐かしい味に出会うのだがそれは何か?

 中国で旨いラーメンを食べたかったら日本のラーメン屋を捜すべし。これは中国人も認める事実なのだ。中国にはほんとうに旨いラーメンはない。一度だけシャンハイで骨付き鶏肉ごろごろの中国ラーメンを食べた時旨いと思ったことがあるが、あの中国のごつい包丁で鶏肉を骨ごとぶった切ってあるので参った。鳥の骨は猫もいやがるような骨片が尖った割れ方、砕け方をするので骨の破片だらけなのだ。中国の人はその骨のかけらをぺっぺっとそこら辺に吐き出しながら平然と食べているが、中々真似出来ないもので、口の中でごにょごにょしていると鬱陶しいこと甚だしい。

 椎名誠が若くて血の気が多かった時の勝負旅の話、自分の若い時を思い出して楽しめる。

« テレビの沈黙シリーズ | トップページ | 結果は如何に »

書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 椎名誠「地球どこでも不思議旅」(小学館):

« テレビの沈黙シリーズ | トップページ | 結果は如何に »

2024年4月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30        

カテゴリー

  • アニメ・コミック
  • ウェブログ・ココログ関連
  • グルメ・クッキング
  • スポーツ
  • ニュース
  • パソコン・インターネット
  • 住まい・インテリア
  • 心と体
  • 携帯・デジカメ
  • 文化・芸術
  • 旅行・地域
  • 日記・コラム・つぶやき
  • 映画・テレビ
  • 書籍・雑誌
  • 経済・政治・国際
  • 芸能・アイドル
  • 趣味
  • 音楽
無料ブログはココログ
フォト

ウェブページ