想像力の欠如
養老孟司の本(「考える読書」)を読んでいたら、想像力の欠如、ということが書かれていた。
養老孟司が大学の講義で、学生たちに妊娠と出産についてのビデオを見せたときのこと、女子学生たちは口々に「参考になった」、と言った。男子学生の半数は同じように「勉強になった」、と答えた。残りの半数の男子学生は「中学の保健の時に教えられたからもう知っていることだ」と言ったそうだ。
男にとって妊娠と出産は我が身のことではない。だから人ごとだ、と感じる男たちがいる。「知ってらぁ」と言う男たち。彼等は育児に協力しない父親になるだろう、と養老孟司は言う。
想像力の欠如した者は「そんなこと知っている」と軽々しく言う。
映画を見ても、読書をしても、こんな人たちは何も見ていない。彼等にとって世界は未知ではなく、既知である。これでは旅をしても喜びは少ないだろう。
すでに知っていることにも知識のレベルに階梯があり、何事にも新たな驚きがあり、喜びがあることを忘れないようにしたいと思う。
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