覇者を目指すDNA
習近平国家主席が、北京の人民大会堂で開かれた平和五原則60周年記念式典で、「中国人には覇者を目指し、みだりに戦端を開くDNAはない」と発言した。さらに「他者に国際法を守るように言い立てつつ自分は守らない、法の支配を名目に他国の正当な権益を侵害する行為に反対する」と発言し、暗に日米を批判した(のだそうだ)。
揚げ足を取るわけではないが(揚げ足を取るけれど)、DNAには覇者を目指す、などというものはないから、中国人には覇者を目指したり、戦端を開くDNAがないという発言は誤りではない。しかし、それは中国人に限ったことではないから、言っていることは無意味でもある(こういう云い方をマスコミは喜ぶけれど)。
そして、中国以外の多くの国(日米だけではない)が、中国に対し国際法を守るように言い立てているのは事実であり、それは中国が国際法を守っていないからである。そして、習近平が、国際法を守っていないのは中国だけではない、というのは具体的にどのことを言うのか明らかではない。そんな事実はそもそもないから、習近平も聞かれたら答えようがないだろう。誰も聞かないけど。
そして法の支配を名目に他国の権益を侵害する、と日米を批判するのは、法の支配、つまり法に基づいたら、中国の言う権益は守れない、ということ、つまり中国の言う権益は違法であることを自ら認めていると云う事になる。
どうも習近平以下、中国共産党は最近いささか常軌を逸しているようだ(こう云うところを見て長谷川慶太郎は中国が末期的症状だ、というのだろう)。
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