映画「MAD探偵 7人の容疑者」2007年香港
監督ジョニー・トー、ワイ・カーファイ、出演ラウ・カウチン、ラム・カートン、ケリー・リン他。
人の中のいろいろな人格を見ることができる能力を持つ元刑事が主人公。冒頭は刑事時代のその異様な操作方法が新人刑事ホーの目に映った映像として描かれる。時が経ち、そのホーがベテラン刑事となった頃、事件の捜査に行き詰まり、いまは刑事を引退したその男コウに協力を依頼する。
あとはコウの眼から見える世界が中心に展開されるのだが、それがコウの妄想なのかどうか次第に混沌としてきてわけが分からなくなる。真犯人と思われる男が7人もの人格を持った複雑な人物だ、ということで容疑者の後ろにぞろぞろと7人の男女がついて回るという、こっけいであると共に異様な情景が見られる(これだと8人になるのかな?面倒なのでしっかり数えなかった)。そもそも多重人格というのは極めて稀な精神疾患で、そうでないにしても人格が統一し切れていない人間がそこら中に存在している、というのは驚異的なことである。
香港映画はときに猥雑である。汚らしい。それが生理的に評価を下げてしまうことがある。特殊能力を持つ主人公が登場する映画は嫌いではないなのだが、ちょっと度を過ぎて汚らしくしかも煩雑で、個別のシーンの意味が良く理解できなかった。
監督のジョニー・トーもワイ・カーファイも好きな監督なのにこの映画はちょっといただけない。それほど沢山の実例を知っているわけではないが、だいたい香港映画は複数の監督で作った映画で出来のいいのは少ないような気がする。
« なぜか? | トップページ | 映画「コンプライアンス 服従の心理」2012年アメリカ »
「映画・テレビ」カテゴリの記事
- 前回に続いて(2024.10.04)
- 『フック』(2024.10.04)
- 『サンクタム』(2024.10.02)
- 『ロード・オブ・ザ・リング』(2024.10.01)
- 『トップガン マーヴェリック』(2024.09.28)
コメント