老醜
老醜という言葉は嫌いだ。老人には、若い人から見れば老醜というしかないような、目を背けたくなるような事実がある。しかしそれを見て見ぬふりをするのが大人というものではないか。
その私があえて老醜という言葉を使いたくなるような気になったのは、小沢一郎が生活の党を換骨奪胎し、小泉純一郎などと共同で新党を模索しているという憶測記事を見たからだ。
それが老醜というのではない(老醜だけど)。それに看板として担ぎ出されそうなのが菅原文太で、しかも本人は満更でもないらしい、と報じられていたからだ。
菅原文太が東映ニューフェースとしてデビューしたとき、最初に出たのが帝人のコマーシャルだった。大柄な彼がスーツ姿で小さな車に乗り込む。そして「帝人テトロン、ウール・・・混」というコマーシャルの声が入る。なかなか颯爽としていて忘れがたい。
その彼が「トラック野郎」シリーズや任侠映画の準主役などに登場、そして「仁義なき戦い」の広能(主人公・モデルは美能という実在の暴力団の組長)役で看板スターになった。
若い頃、鶴田浩二や高倉健などの格好のいい任侠がでる映画が鼻持ちならず(あとで好きになったけれど)、それと比べれば格好の悪い日活映画の渡哲也や、菅原文太が好きだった。
その菅原文太が次第に嫌いになっていった。時々テレビに出て説教臭いことを言いだしたからだ。似合わない。
そして以前、芸能界は引退し農業をやる、と言って一線から身を引いたと思っていた。
それが時々コマーシャルなどで見かけて「あれっ」と思っていたところだ。台詞はたどたどしい棒読みで聞き苦しい。内心、老醜だな、と思っていた。
それが憲政記念会でのシンポジウムの席で政治家や政治評論家に続いて壇上に立ったという。これが報じられるなかで彼の立ち位置がニュースのなかで解説されていた、と言うわけだ。これ以上の弄言は不要だろう。
老醜の菅原文他は見たくない。私は大人ではないらしい。
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