これで好いんだ
父が死んで丸三年経ったお盆です。明日はお坊さんがお経を上げに来るというので、弟夫婦とそこに独りで泊まりに来ている弟の孫娘が三人でその支度をしています。お供え物や提灯など、その準備は前年の経験がないとなかなか面倒なものです。小学生の孫娘が去年のことを少し覚えて手伝っているのを見て感心しています。それを見ている酔っ払いの私は何の手助けも出来ません。
母は寝たきりの床からそれをじっと見ていますが、なにを考えているのか分かりません。なにも考えていないのかもしれないし、差配の出来ない自分を哀しんでいるのか。
私の子供たちはまだ未婚なのでもちろん孫はいません。弟の所には孫が四人います。弟が母の世話をしているので、そこが私にとって実家です。だから弟の孫たちと良く会うので、私のような取っつきの悪い爺さんでもけっこうなついてくれています。
適当に話に相づちを打てば彼らはどんどん近づいてくれます。半分くらいは言っていることが分かりませんが、何とか意思の疎通が出来ます。無理に分かろうとはしません。そのほうが良いようで、子供は勝手に納得してくれます。
何となくこれで好いんだ、と思ったりします。
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