理由
中国から日本への観光客は今年7月までだけでも前年に対して40%も増加している。中国人の海外への観光客の増加は日本だけではないが、特に日本は増えているようだ。その理由は日本の「おもてなし」の心だとも言うが、日本でお金を使うことでものに変えよう、と言うつもりの中国人も多いのだそうだ。
中国の先行きをもっとも心配しているのは中国人自身であり、手持ちの金の価値が急減することを見越して、換金性の高い信用のできる日本製品などを買い込むのだ、と言う。
ところがその中国への海外からの観光客が減りだしている。日本からの観光客が減るのは反日がこれだけ報道されているから当然としても、他の国も軒並み前年よりマイナスらしい。
それを中国のマスコミが解析して、考えられる理由をあげていた。大気汚染や食品疑惑問題はその大きな理由だが、観光客に対するインフラ整備の不足、サービス精神の欠如も大きいと分析されている。あげられていないがテロ事件の頻発も大きいだろう。
確かに直接的な理由はそうかも知れない。
だが毎年のように中国を訪問していた私がこの三年ほど行かなくなっていて、しかも是非行きたい、と言う気持ちがほとんどなくなったのはそんな理由ではない。
昔は中国の観光地はほとんど外国人だった。わざわざ高い金と長い時間をかけるくらいだから中国に思い入れがあり、知識もある人が多かった。
今はほとんどの観光地は中国人が圧倒的に多い。彼らは観光地を見学に来たのではなく、観光地に来たことを帰って自慢するためにきているかのように見える。歴史的な遺跡を見ながらただ大声でわめき合い、やたらに土産物をしこたま買い込む。だから観光地はほとんど土産物屋だらけになってしまった。
観光地は観光客を呼び込むためになんたることか、遺跡を派手に、ときにはキンキラキンに飾り立て、あまつさえ今風に建て直したりする。歴史的な意味など意に介さない。
毛沢東の文化大革命は信じられないほど多くの犠牲者を産んだが、実は大成功だったのだ。もくろみ通り、過去の文化遺産を破壊し尽くしたのみならず、文化の意味や価値の意識を中国人から失わせることに大成功したのだ。
中国の史跡を訪ねてもその当時の本物はもうほとんど見ることはできない。だから現地に立ち、過去を幻想することで偲ぶことになる。
それが大勢の中国人(佃煮にするほどいる)がひしめき合ってわめき合っている中に立たされたら、過去など偲びようがないではないか。
それが中国を訪ねる気を失わせた大きな理由である。
なんと日本の史跡でその大声の中国語が飛び交うようになって久しい。中国人から逃れるには土産物のない観光地に行くしかないようだ。もちろんそんなところはないけれど。
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