馬渕睦夫「「反日中韓」を操るのは、じつは同盟国・アメリカだった!」(WAC)
空想小説かと思うような世界観、歴史認識だが、決して妄想ではない。空想小説と言ってもSFの類いではないし、もちろん小説でもない。
題名から感じられるように、トンデモ本という種類の本ではある。しかし最後まで読み通したときにその内容に矛盾がないことに気がつく。現実世界を著者の語る視線で見直したとき、そういう解釈もあり得るのではないか、と感じるのだ。何が正義で何が悪である、などというメディアのインチキ臭い世界観と比べれば、はるかにリアリティがある。
著者は元駐ウクライナ大使だそうだ。ウクライナ情勢やその背景についての著者の見解はあっと驚くようなものだが、この本の後半に書かれていて、ある程度下地ができてから読むことになるから、あながちあり得ない話でもないような気になる。
内容の一部が自分の受けた教育や知識と違うからと言って受け付けないような柔な神経ではおとなとはいえませんぞ。とにかく通して読むと面白いから一読をお勧めしたい。この内容をある程度咀嚼して頭に入れて知り合いを煙に巻くのも楽しかろう。今晩弟に試してみよう!
韓国の謝罪要求に応じて日本が謝罪することは韓国人を愚弄することになる、と言う主張には私も賛同する。どういう意味か、それは本文を読んで考えて欲しい。
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