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2014年11月 6日 (木)

金美齢・長谷川三千子(対談)「この世の欺瞞」(PHP研究所)

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 副題「「心意気」を忘れた日本人」。

 意気軒昂なおばあさんとおばさんが思いの丈をぶちまける。共感する人にとっては痛快この上ない本だ。先日金美齢おばさん(おばあさんはちょっと失礼であった)の本(夫君の周英明氏との共著)を読んだばかりなので彼女の言いたいことはよく分かっている。

 二人は安倍総理を応援しているが、その背景のひとつに「たかじんのそこまで言って委員会」という日曜日の読売テレビの番組がある。この番組は全国ほとんどで放送されているが関東だけは放送しない(させてもらえないのではない。これはやしきたかじんの遺志であるし、それをついだ番組の意志である)。

 東京で放送されればどうなるか、番組を楽しみに見ていて想像力のある人なら分かる。マスコミはこぞってその非を鳴らすだろう。それこそがこの本の題名である「この世の欺瞞」そのものなのだ。

 第一次安倍内閣は安倍晋三氏の病気で瓦解した。失意の安倍氏が病気の回復とともに次第に力を取り戻し、再起するまで励まし、ついには再度首相になる決意をすることに至ったことにこの番組が若干寄与したことは間違いない。だから安倍氏は首相になって超多忙にもかかわらず、この番組には一度ならず出演している。

 その中心が、亡くなった三宅久之氏であり、金美齢おばさんであり、やはり亡くなったやしきたかじんである。長谷川三千子おばさんはそれとは別に安倍氏を後援する組織を立ち上げて応援してきた。

 マスコミや有識者と称する人の多くは安倍首相を批判、非難する。では安倍首相ではない誰が何をしたら良いというのか、それをイメージできる人がいるだろうか。今さら民主党の誰かに期待するというのか。海江田氏に国を託せるなどと言う人がいるのだろうか。鳩山氏や菅直人氏や野田氏が何をしてきて何をしなかったのかもう忘れたのか。あのまま民主党政権が続いていたらいまより日本が良くなったはずだなどと信じる人がいたらその知性を疑わざるを得ない。

 全てがうまくいかなければ批判する、といういまのマスコミや有識者の態度には辟易する。批判はしても良いが、このことはよくやっている、という相手に対するリスペクトを少しくらい持ったらどうか。少なくとも安倍首相が身を粉にして世界中を駆け回り、一生懸命やっていることだけでも評価しても良いのではないか。

 首相を引きずり下ろされてから、どこの国の人間か分からないコメントを期待されて、首相在職中よりもたびたび某国に招待されてのこのこ出かける愚か者がいる(さすがに中国でもそれが逆効果だと気が付きだしたらしい。残念なことである)。マスコミの一部や良識を自認する人は、この愚か者こそ日本の良識の代表と考えているのだろう。無視すれば良いのに、よく取り上げて紹介している。

 そういうものに苛立ちを感じている人はこの本を読むと快感を感じるはずだ。少なくとも私はそうだった。ただし関東の人は残念ながら「たかじんのそこまで言って委員会」を知らず、マスコミの洗脳がほころびていないから、何の事やら分からないところがあるかも知れない。

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