せせらぎ
宿の部屋は四階で、片品川に面している。片品川は利根川の支流で、川の水面ははるか下、けっこう谷は深い。 夕方吹割の滝を散策したときは汗ばむ程だったが、夜になると窓を開けるとひんやりした空気が入ってくる。
老神温泉も残念ながらほかの温泉と同じように一部閉鎖したホテルなどがあって昔の面影がない。そもそもこの温泉に来るようになったのは母が友だちと来た時の楽しい思い出があると聞いたからだ。母が寝たきりになる前は小さな家族的な宿にふたりで何度か滞在した。
今、その片品川のせせらぎを聞きながら同時に友の寝息を聞いている。なんという幸福な静けさだろう。
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