真実とはイヤなもの
山本夏彦流に言えば、真実とはイヤなものである。
兵隊は指揮官をのぞけば壮健な若者だ。精力の有り余る若い男たちの集団が、そのあふれるようなホルモンの働きのはけ口を求めるのは生物として当然のことである。
古来軍隊はこれにいろいろ対処してきた。対処しない、という対処法もある。その場合、戦地では暴行強姦は黙認される。多分大昔はそれが当たり前の行為だっただろう。しかし戦地の人々の怨嗟を受けることになる。戦場で勝利しても民意を失い、結果的に敗退につながることが多い。だから賢い司令官は軍律を厳しくしてそのような行動を制限した。それは正義に似て実は功利的なものである。
しからばこの精力あふれる若者たちにどう対処するか。売春業者を黙認するのが普通である。需要のあるところに必ずそれにこたえるものがあらわれる。ただ野放図にすれば性病などの蔓延で弊害が大きいから管理のごときものが行われる。
このようなことがなかった軍隊などなかった。どんな国家も戦時に自国がなにをしていたのか承知しているけれど、決してそれを認めることはあり得ない。国家というものはそんなものである。だから真実というのはイヤなものなのである。
ところが為政者でありながらこれを認めた政治家がいる。河野洋平であり、宮沢喜一である。彼らはパンドラの箱を開けてしまった。正義の名のもとに認めたようにいっているが、なんのことはない、迫られて意気地がないから云わされただけのことである。世界の為政者はその意気地のないことをあざ笑いながら、同時に困ったことになったと思っただろう。
売春が善いことか悪いことか、という問題に還元すれば、悪いことであるという答えしかありえない。意に染まない行為を強要される、ということは否定できないからだ。
売春が悪い、戦争が悪い、差別が悪いと云うことは誰でも承知している。しからばなぜそれが続くのか。どうしたら良いのか。
悪い、悪いの大合唱をしてデモ行進すればなくなるのか。
そんなもの答えなどない。人間の性(さが)みたいなものなのだから。
それが現に存在することを前提にどうするか考えるしかないではないか。
「あってはならないこと」といいながらすでに起こったことを正義の名のもとに弾劾しても過去は変えられない。勘ぐれば賠償という名目の「金をくれ」に乗せられているように見えてしまう。だからいくら謝罪しようが、満足のいく金を支払わなければ謝罪はないことにされてしまう。しかもその金は青天井である。正義には果てしがない。
安保法制論議にしても、「戦争はあってはならないこと」の是非を論じるような話にされてしまって、何のことやらわけがわからなくなっている。中国は喜んでいることだろう。
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〔あってはならないこと〕を繰り返しながら歴史はここまで続いてきたとおもうのです。
人間の性みたいなもの。。。実に同感ですね。
↓〔ぼんやりする〕 療養中のお母様の事で心身が相当お疲れのようで胸が痛みます。
投稿: おキヨ | 2015年7月31日 (金) 12時39分
おキヨ様
ぼんやりしているのはいつものことで、特に暑いので何もやる気が起きないで、ごろごろしています。少し汗でもかくと好いのですが、名古屋は今日は特に殺人的な暑さで、外がなんだか白く見えます。
投稿: OKCHAN | 2015年7月31日 (金) 14時07分