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2015年8月17日 (月)

ドラマ三昧(1)

 本を読む集中力が足らず、このところドラマ三昧である。NHKBSとWOWOWのドラマを主に録画して、あとで一気に観ることにしている。もちろんドラマのうちのお気に入りのもののみを選んで録画しているのだが、どのドラマも良くできていてインパクトがあり、一つ観るごとにずしりとこたえる。

イギリスドラマ「ブロードチャーチ」続編、全八話。
 前回、少年の殺人事件を巡って謎が謎を呼び、ブロードチャーチの住民たちの闇が次々に明るみに出され、誰が犯人でもおかしくないような展開の中で、ついに犯人が確定し、本人も自供して事件は解決した・・・はずなのに、犯人が自供を翻して無実を訴えたためにふたたびブロードチャーチは混乱の巷と化す。

 前回のこのドラマの紹介のときに言及したけれど、捜査に当たった警部があまりにお粗末で、独りで苦悩し、独りで体調を崩し、混乱の種をまいた。それはこの警部がこの事件の前に捜査に当たった事件が未解決で、それが尾を引いているのだが、今回はその事件の謎も同時に暴かれていく。

 今回は無罪を主張する犯人の弁護についた優秀な弁護士により、ブロードチャーチの住民たちすべてが犯人の有罪を確信しているにもかかわらず、裁判は思わぬ方向に展開していく。

 弁護士は捜査の不備を次々に暴き、次第に目撃者の証言も、犯人の自供も、証拠として採用されなくなっていく。弁護士の仮定の話があたかも事実のように陪審員に印象づけられていく。

 これもすべてお粗末な警部の不手際のなせるわざなのだ。だから観ているとイライラがつのってくる。

 かたや告発側に立つのはシャーロット・ランプリングが演じる弁護士。引退を決意していたけれど、犯人の弁護士が自分のかつての部下であること、真偽よりも勝ち負けにこだわる人物であることを知っていることから、あえて不利を承知で告発側の役割を引き受ける。

 全八話はとにかく長い。被害者の家族や住民たちの苦悩する姿は見るに堪えない。だから裁判の意外な結果、そしてドラマの結末に「当然だ」という思いとともになにか重いものが残された気がする。

 「さらば美しき人」という衝撃的な映画で出会って以来、シャーロット・ランプリングは強烈に私の記憶に残されている。ずいぶん歳をとったけれど、以前よりもさらに不思議な魅力にあふれた女優である。彼女に再び巡り会っただけでもこのドラマを観た甲斐があった。

 彼女はどこか倍賞千恵子に似ていると私は思うがどうだろうか。 

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コメント

シャーロット・ランプリング・・・ルキノ・ヴィスコンティー監督の〔愛の嵐〕で強烈な印象を残しました。知的でセクシーな女優ですね。

どこか倍賞千恵子に似ている・・・〔愛の嵐〕のときにはそう感じませんでしたが、彼女が年を重ねたことを想像するとなるほどと思います。

おキヨ様
そういえばあの「愛の嵐」のスレンダーな裸身も忘れられません。
わたしが見た「さらば美しき人」という映画は中世の貴族の家の近親相姦の映画で、ラストは血まみれのすさまじい映画でした。
そういう映画が似合う女優でしょうか。
あの、やや斜視気味の目が、妖しい魅力を感じさせます。
最近も脇役でときどき見ます。

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