まちがい
古川緑波(ろっぱ)という喜劇役者がいた。当時「東京新聞」は夕刊紙で、連日、著名人にその道楽・趣味を問うていた、ロッパ氏は「麻雀。三度のオマンマよりも好き」と答えた。翌晩、楽屋に配達されてきた同紙を見て、氏はとびあがった。重大な誤植があったのである。どの字をミスったかはご想像におまかせする。
北京在住の日本婦人が、北京大学日本学科を卒業したばかりの通訳嬢を伴って病院へ行った。診察が終わると、男性の医師が何かのたまい、通訳嬢は、「センセのケツを調べるそうです」と訳した。お上品で慣らしたその日本婦人は、「少し、おなかが痛いだけですから、ケツは調べないように頼んでください」。通訳嬢は首を振り、「大丈夫、ほとんど痛くありません。幾らかケツをとるだけですから。
「血」を「ケツ」と発音したのであった。日本語では「血液」とも云うから、その区別は確かに外国人には難しい。
某テレビで、トレードされてキャンプインしたプロ野球の選手に記者がインタビューした。
記者はその選手への期待感を披露したあと、「ところであなたの座右の銘は何ですか」。瞬時、とまどいの色がはしり、「両方とも一・五です」。
記者は深追いをしなかった。
不思議な日本語。
「私はここからあまりちかい都市に出生しました」
「もしあなたが別に心とらなかったら、お茶を願います」
「常に私の朝ご飯は大食です」
「この重い箱をお助けて持ち上がらせてくれ」
「貴方はご計画を彼に話してはいいですか」
「貴方は考えがきめればお決意を知らせてください」
「私たちが何の料理を入用のことに服務員は急いで知りたいようです」
「私は馬鈴薯の泥と豌豆を買います」
「医者が私の余り肥すことを気がつきました」
「煙草を吸うなら健康に妨害することを医者から私に言いました」
「彼は学問深いですからお聞きに行きましょう」
「私は曲がる処の郵便箱に手紙を入れました」
「貴方は衣類に対する鑑賞の方が、あまり上手ですね」
内モンゴル自治区の発行した日本語辞書から。ずいぶん古い話なのでいまはもう少しマシになっているだろう。それでも中国のホテルなどで見る日本語には絶句するような珍妙なものが多い。それぞれの文章の意味は少し考えればわかると思うので省きます。
「中国酔いがたり」という、コラムをまとめた本の中からピックアップしました。
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