長谷川慶太郎「ロシア転覆、中国破綻、隆盛日本」(実業之日本社)
AIIBは破綻する、と長谷川慶太郎は断言する。ことによったらまともに発足しないかも知れない。日本もAIIBに参加すべきだ、という少なくない意見があるが、当初から私も、参加しても日本には全く良いことはないだろうと確信している。中国の独断専行が見え見えだからだ。そういう国なのだから仕方がない。
中国は最近ため込んだアメリカ国債を売り続けている。大きく水をあけられていたはずの日本の方が、いつの間にか中国を抜いて保有高がまた世界一になった。これではアメリカも日本にすり寄らざるを得ないだろう。だからアメリカは日銀による日本の円安誘導を黙認せざるを得ない。
長谷川慶太郎は、はやければ年内中にプーチンが大統領職から降りるのではないか、と予測する。原油安とルーブル下落のダブルパンチで、ロシアの外貨残高が遠からず底をつくことになりそうだ、というのだ。そうなるとロシアをインフレが襲うことになり、プーチンの80%を超える支持率も一気に低下し、混乱が起こるだろうという。すでにロシアでの車の販売台数の激減などに兆候が現れている。原油安はロシアがターゲットであることは歴然としている。
7%を維持しているという中国のGDPの統計値が事実を表していないことは再三指摘されている所だが、著者は電力消費量の統計値や物流の統計値からみると、3~4%あるいはマイナスの可能性もあるとみる。中国が7%の成長にこだわるのは、それ以下だと雇用が大幅にマイナスとなり、社会不安につながるからだ。現に若者の失業者が大量に発生している。
中国は生産設備過剰により、在庫の山になっているという。自動車の中国国内生産台数はなんと年間5000万台、しかし2014年の販売台数は2500万台だ。なんと2500万台が在庫となっているとみられている。他も推して知るべし。上海株下落には理由があるのだ。
中国の電力消費の落ち込みの影響で、モンゴル経済が極端に冷え込んでいる。モンゴルの主な輸出品である石炭の価格下落が著しい上に中国輸出がほとんど止まっている状態だからだ。中国の火力発電所は石炭が使用されることが多いのは御承知の通り。
中国に進出した日本企業は可及的速やかに撤収をはかるべき時だろう。それなのに伊藤忠商事は巨額の投資をきめた。これが伊藤忠に大きな禍根を残すことになるおそれが大きい。あの日本大使の公用車の日章旗強奪事件は丹羽宇一郎大使の時のことである。丹羽氏は周知のように伊藤忠商事の社長であり、会長であった。伊藤忠商事には中国になにか引くに引けない弱みでもあるのか、単なる判断ミスなのだろうか。
その中国に韓国はすり寄っている。しかし韓国は、貿易収支は大幅黒字なのに、手持ち外貨残高の増加はほとんどなく、ついにマイナスに転じたと報じられている。企業の収益は大庭に下落している。中国向けの輸出に力を入れれば薄利販売を余儀なくされるのは当然だ。
今のままだと再びデフォルトの危機が迫る可能性が出てくる。前回は日本とのスワップで切り抜けたけれど、まさか日本を頼るわけには行くまい。前回の恩を仇で返すようなことを続けた上に、日本が継続を提案したのにそれを蹴ったのだから。では中国に頼るか。日本と違って、ただというわけには行くまい。在韓米軍基地撤去でも条件に出してきはしまいか。それともさすがに中国もない袖は振れないかも知れない。
これらの国が失調すれば日本の株価も下がり、日本の経済にも悪影響が出るのは必至だが、長谷川慶太郎先生は、日本は心配ない、とおっしゃる。株価が下がっても、私は投資などしていないから関係ない。おごれるものが久しからざるのを笑ってみるだけである。
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