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2015年9月27日 (日)

今頃気がついても・・・

 夏目漱石の『草枕』の冒頭、「智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ。兎角に人の世は住みにくい」とある。近頃読んだ本の中で引用されていて思い出したことがある。

 若いころ、この「情に棹させば流される」というのを、情という流れに逆らって棹を差して舟を留めようとしても無理で流されてしまう、と考えていた。

 それが、「棹さす」というのが、竿を使って流れに舟を乗り入れることらしいと知ったときは驚いた。逆らうのではなく、乗り入れることらしいのだ。こんな勘違いはしばしばで、知らぬが仏である。知ったら恥ずかしいことがあるはずだが、死ぬまで知らずに終わることが多いに違いない。

 そうしたら、智に働けば角が立つ、という言葉が気になった。智に働くとは、理屈や正論でこの世を渡ろうという態度のことであろう。日本人は正論を嫌う傾向がある。だから理屈っぽいと嫌われる。自分が多少(多少どころではない、といわれそうだが)理屈っぽいのでよくわかる。しかしこの感覚は、日本以外では不思議に思われるだろう。自分の意見を、理由を明確にして表明するのが世界では普通だからだ。日本的感性がこの言葉にある。

 若い人たちはだんだんグローバリズム化して、「なぜ」「どうして」にこだわるようになってきたから、この漱石の文章もだんだん意味がわからなくなっていくのだろうか。しかし「兎角に人の世は住みにくい」ことにはあまり変わりがないようだ。

 それにしても浅薄に本を読んだりものを見聞きしていたために、いろいろなことが少しも見えていなかったらしい。自分ではもうちょっとマシかとうぬぼれていたけれど、いまさら取り返しがつかない。せいぜいボケが進行する前に、もっと考える習慣を持つようにしなければ、と思っている。考えたことの断片をブログにも書くのだけれど、文章にすると、如何にその考えが人の受け売りばかりで薄っぺらかわかる。まあ六十の手習いみたいなものか。

 ちょっと愚痴っぽくなった。

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コメント

私もこの手のカン違いと思い込みは酷いもので、わざわざ探して正すのも怖ろしく思います。
気がつかないまま終わったほうが身の為かと。。。^^;

おキヨ様
ほとんどが知らずに終わることになるでしょう。
それでもあえて知りたいと思います。
・・・・うーん、知らない方が好いことも多いですけれど。

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