来週の月曜日が検診予定日だったのだが、兄貴分の人と長老と三人で信州へ行くことになったので、検診日を今日に変更した。ひと月近く前に変更の連絡をしたのだが、予約でいっぱいで、予約の人が済んでからになるという。仕方がない、と返事をしてあった。
だから長時間待つことを覚悟して本も二冊用意していった。採血と検尿をすませて内科の待合室に行くと、今まで見たことがないほどの超満員で、多くの人が坐ることもできないほどである。
受付の女性が、どんなに早くても11時半以後になりますから、一度帰られたらどうですか、と声をかけてくれたので(ありがとう)喜んで一度帰宅し、午後やろうと思っていた、キューバ旅行の費用の振り込みと、姪への出産お祝い送付を片付けた。そして買い出しにでて、ほとんど空になった冷蔵庫の中身を補充した。もちろんビールも残り少ないので補充。
それは良いのだが、振り込みのために行った郵便局で免許証の提示を求められ、あまつさえコピーをとることの了解を求められた。規則であるからには仕方がないけれど、そもそもその規則は振り込め詐欺の防止のためのものであろう。旅行会社の振込用紙を使って旅行代金を振り込むことが明らかなのに、なぜそんな杓子定規に規則を適用するのだ。
一言その疑問を窓口のお兄ちゃんに問いかけただけなのに、お兄ちゃんは怒られたと思ったのだろう、わけのわからない言い訳をしたので、おじさんはそのことのほうに腹が立った。
もう少し融通を利かせろよ。
いわれた時間に病院へ再び行く。さすがに座れずに立っている人はいなくなったけれど、まだ空席はほとんどない。月曜日は混むのがわかっているけれど、糖尿病の外来は月曜だけなので仕方がないのだ。
時間はじりじりと過ぎていく。みんなイライラしている。「もう一時間半待っているのよ」などという声が聞こえる。予約時間を過ぎている、ということなのだろう。こちらは血液検査のために朝飯を抜いている。一度帰ったときに食事をしても良かったのだが、いろいろ片付けているうちにその時間がなくなった。だから腹が減っているので次第に自分が機嫌が悪くなってくるのがわかる。
そんな中で看護婦に「いつまで待たせるのか」と食ってかかったおばさんがいた。ごたごたあって、そのおばさんは次の診察順に繰り込まれた。もともとその順番だったのか、ごねるから面倒なのでそうしたのか知らない。待合室の空気が険悪になる。でもおばさんは平然としている。
ようやく一時過ぎにわたしの番がきた。というよりあともう一人しかいないし、その人は別の先生の診察室の前で待っているから、わたしが最後であった。良かった、忘れられていたわけではないのだ。
前回まで五年ほど診てくれていた先生は先月退任したので、今回から新しい先生だ。今度も女医さん。しかもけっこう美人だ。ただ残念ながら冷たい感じがする。挨拶を交わしたあと、長いこと待たせて申し訳ありませんでした、といわれる。先生のほうもお疲れのようだ。まだ慣れないから丁寧に診察しすぎたのではないか。
おおむね検査結果は良好。特に血糖値はいままでで一番低い。「このまま頑張ってくださいね」と励まされて診察終了。
つぎは予約センター。ここでおじさんは再びちょっと腹を立てる。この窓口のおばさんはいつもだらだらしていて無駄な時間を食うので嫌われているのだが、よりによってその窓口で薬のことを相談している初老の夫婦がいる。
窓口のおばさんに薬のことを聞いたって責任ある答えが聞けるわけがないのに何をやっているのだ。それなのにおばさんは一生懸命それに対応している。そしてそのことを医者に問い合わせたりしているから、予約センターは開店休業状態になってしまった。
そんなことは診察のときに医者に聞けよ!
会計(これも多少時間を食うがたいしたことはない)をすませ、処方箋をもらって向かいの薬局へ行く。あらかた済んだのだろう、いつもより待っている人が少ない。これならあまり時間がかからないだろう、やれやれ、と思ったら、いつもは15分でできる薬が30分たっても出てこない。どうなっているのか。
薬剤師のお兄ちゃんがようやくわたしの名前を呼ぶ。名前をフルネームで確認、さらに生年月日。本日四回目くらいの本人確認だ。間違えようにも他に客は一人しかいないし、それもおばあさんである。馬鹿ではないか。さらにお兄ちゃんはいろいろと話しかけてくる。症状はどうか、どこか具合の悪いところはないか、風邪はひいていないか。
「具合が悪ければ医者に言う!」とちょっと大きな声で言ったらびっくりした顔をしてようやく黙った。よれよれのおじいさんおばあさんへ言う時みたいな、おためごかしの口調で話しかけられるのがわたしは大嫌いだ。
他人の時間を空費させ、しかも金を取るとはなんたることか。俺に無駄口は叩くな。
家に帰って食事をして人心地ついたらようやく落ち着いた。
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