乱れまなこの勝手読み(9)
読売新聞の世論調査で、将来自分が介護サービスを受けられるかどうか不安を感じている人が、「大いに感じている」46%、「多少は感じている」40%と、合わせて86%もいることが明らかになった。さらにこの調査で都市部よりも介護を受けやすい地方都市への移住について、賛成61%、反対36%だった。
少子高齢化で勤労者に対して老人の割合が増えて、福祉予算が今後さらに厳しくなるとの認識があるのだろう。福祉予算を増やすには税収を増やすしかないが、それを景気浮揚で行うのか、税率を上げることで対応するのか。それが来年噂される統一選挙の大きな論点になりそうだ。
ところで地方への移転に賛成の人も、いざ自分が移転するかどうか問われると、移住しても良いという人の割合は一気に減るようだ。一般論と自分の問題は常に別なのである。
キューバと中国は1960年に国交を樹立している。同じ共産主義の国として良好な関係を維持してきた。そのキューバの首都ハバナにはチャイナタウンがある。そして中国人観光客もたくさん訪れている。さらに中国の海外旅行ブームにより、その観光客が急増しているという。
11月後半にいつものなかまたちと三人でキューバへ行く予定である。アメリカと国交が結ばれ関係が正常化すればアメリカから大挙して観光客が訪れて、キューバのキューバらしさが失われる恐れがある。その前に見に行こう、というのが今回の旅行の主旨なのだが、その前に中国人がひしめいていたら幻滅する。
日本からのキューバ旅行希望者も急増しているという。はたしてキューバらしいキューバを見るのに間に合うだろうか。
インドネシアの高速鉄道受注競争に日本が敗れたことはまことにくやしいことだった。そもそも中国がこの競争にエントリーしたのは今年に入ってからのことで、その前に行ってきた日本の事前調査や検討のための膨大な労力を、インドネシア当局がそっくり中国に丸投げすることによって可能になったことで、信義に反する行為と言って良い。よほどの金が動いたのだろう。インドネシアのジョコ大統領は国際的な信用を大きく落としたツケをあとで払うことになるだろう。
ところでこの高速鉄道を受注した件を中国のネットでどう見ているのか。「タダで高速鉄道を作ってやるようなもの」「利益が上がらず、単なる指導者の実績作りだ」という声が公然と書き込まれている。受注しても中国の利益にならないと考えているようだ。
それにたった三年で完成させると約束しているけれど、日本は絶対不可能だといってそれに張り合わなかった。無理を承知でする突貫工事に思わぬ落とし穴はないか。事故などあって欲しくはないけれど、内心で事故が起きて欲しいような気になる。われながら小人である。そう思う人が多ければ、それは呪いである。
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