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2015年10月18日 (日)

シンシアリー「韓国人による震韓論」(扶桑社新書)

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 著者名・シンシアリーはハンドルネーム。韓国生まれ、韓国在住の韓国人で、歯医者であると自己紹介している。この人の韓国論はこれで四冊目である。

 内容は一見すると嫌韓派の日本人の書いた嫌韓論のように見える。しかし著者の言い分をそのままに受け取れば、異常な(つまり常軌を逸した)反日意識に根ざした現在の韓国の状況を憂い、その理由を解析することでそれが少しでもまともになって欲しいという願いが込められている。

 ところがそれが韓国では発表できず、日本でしかその考えを主張できないのは韓国にとっても著者にとっても不幸なことだ。当然日本でそのような著者の考えを著作にするとなれば、それは韓国の問題点を次々に指摘していく反韓論のごときものになってしまうというわけだ。

 とはいえ、彼のブログは韓国、日本を合わせればフォロワーが数十万だというから、彼の主張を「なるほど」と受け取る人は確実に存在するのだ。

 この本では特に今年の二月から八月の約半年に期間を限定して、韓国がどのように世界に、そして日本に対峙したのか、韓国の政治家、メディアがどのような言説を行ったのか、それが整理して取り上げられ、その奇妙な思考様式の異常さを痛烈に批判している。

 韓国が言う「世界」が、アメリカ、中国、日本と自国を含めた四つの国しかないという指摘は鋭い。だから安倍首相のアメリカ議会での発言や、新安倍談話についての論評で、韓国は異常な反発をした。四カ国のうち、アメリカと日本だけが好意的で、それ以外の世界の国はみな安倍首相を非難している、という韓国の論調はわたしも承知しているが、なるほどそういうことだったのだ。

 東南アジア、オーストラリアをはじめヨーロッパでもほとんどが安倍首相に好意的な評価をしていたことは韓国には見えていない。反日の視点に立ったとたん、韓国の世界にはそれらは存在していない国々となる。まあ日本にも一部そのように考える人々はいるが。

 とても残念なのは、韓国の反日がますますエスカレートしていて、子供や若者の多くが高齢者よりはるかに日本に強い反日意識を刷り込まれているという。だから残念ながら韓国とは当分友好関係を結ぶことは難しそうだ。

 韓国の反日は「日本は悪い」ではなく、「日本は悪くなければならない」という一方的な主張で固定されている、と云う著者の指摘の意味が、この半年の韓国の言説をまとめたこの本でよくわかる。

 韓国の、韓国人側から見た反日が、われわれ日本人が脳天気に考えているものとは違うらしいことが実感される。その違いを日本人も韓国人もしっかり認識した上で、さてどうすれば良いのか、と考えなければ関係改善は始まらないのだが・・・。

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