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2015年10月 2日 (金)

管子の言葉

 管氏ではない。それでは菅直人の言葉みたいだ。

 管仲という、中国春秋時代の斉の人の言葉であり、「管子」という書物も残されている。たまたま史記に関連した文章を読んでいたら、なるほど、と感心したところがあったので記す。

「民はこれを利すれば来たり、これを害すれば去る。民の利に従うや、水の下に走るが如し」

 民衆は利益、いまで言えば経済で動くものだ、と喝破している。政権も経済を損なえば維持できない。だから安倍政権が、これから経済優先でいく、としているのは当然なのだろう。同時に、

 政治の出発点を問われて

「民を愛するに始まる」

 と答えているのは当時としては画期的だろう。さらに、

「民を遂滋し、財なきに与えて百姓を敬せば、すなわち国安からん」

 「遂滋(すいじ)」はわかりにくい。わたしの持っている漢和辞典にもこの言葉は出ていない。滋は、ふやす、そだてる、うるおす、という意味で、遂は、なしとげる、まえにすすむ、という意味であるから、国を守り栄えさせることか。「財なきに与えて」は、貧しい人に富を分配するということ、「百姓」は、農業従事者ではなく、人民、万民の意味であることは漢文で習ったはずである。ここで大事なことは「敬する」という言葉であろうか。

 リスペクトする、ということ、それが国を安んずるポイントだと管子は答えているのだ。現代に欠けているのは、特にメディアに欠けているのはこの「リスペクト」ということではないか。正義を語りながら「リスペクト」がなければ、それは空論になりやすい。中国や韓国がこの「リスペクト」を欠いている国であることは日本以上であろう。反日を語る人々の文言や、外交部の日本に対する言葉を思い出せばわかる。そういう国は「国を安んずる」ことは難しいであろう。

 そんなことを考えた。

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コメント

こんにちは
先日は私のブログをご覧いただきありがとうございます。
ところで、私も『菅氏』をアマゾンで購入して読みましたが、
おっしゃる通りあの国々では「民を安んずる」ことは程遠いでしょう。
仕事先の鎌倉に集まるあの国の観光客を見ればますます・・・。
では
shinzei拝

shinzei様
日本に来た中国人の幾ばくかが、自分が教え込まれていた日本と実際の日本が違うことに気がついてくれればいいのですが・・・。

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