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2015年10月30日 (金)

乱れまなこの勝手読み(14)

 中国が一人っ子政策を取りやめて、二人目までは認めることになった。三人目はもちろん、それ以上も認められない。

 子供を何人産むかということを国家が管理しようとする国の異常さ(世界の他の国でそんなことを強行している国があるとは寡聞にして知らない)について、もう世界中が慣れてしまって、一人っ子政策が解除されたことのみがとても良いことのように報じられている。いままでが異常だっただけではないか。

 その中国をドイツのメルケル首相が訪問している。主にドイツで生産されているエアバスの契約を二兆円ほど習近平皇帝陛下から下賜されてご満悦である。先日は、イギリスも同じ程度の金額にあたる下賜のいろいろを習近平皇帝から頂き、返礼に大歓迎をしていた。

 来週以降にはフランスのオランド大統領も中国訪問をするという。同じような高額の下賜をいただくことになるだろう。まさに朝貢外交である。習近平も皇帝であることの実感を満喫しているにちがいない。

 習近平はいまに世界中が自分の足元にひれ伏しに来る、と確信しているだろう。次はプーチンか。さもしいことである。

 しかし朝貢する方は拝跪するだけで高額の賜り品がもらえるのだから、頭を下げることなどたいしたことだと思っていないかも知れない。下を向いて舌を出していたって分からない。過去の中華帝国がこの朝貢の大盤振る舞いによって経済的に疲弊したように、中国はこんな大盤振る舞いを続けていれば、衰退してしまうだろう。

 いまは朝貢する国々のさもしさに腹を立てるよりも、中国の成金的な大盤振る舞いが自らを衰退させることにつながることをひそかな楽しみにする方が賢いのかも知れない。日本はいくら困窮しても朝貢外交はしないでほしいけれど。

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コメント

おはようございます。
考えてみれば日本もかつては頭をさげるふりをして中華王朝から美味しいところを
もっていっていましたね。
遣唐使もそうでしたし日明貿易もそうでした。
明時代の記録によれば「日本人は狡猾だ」
と言われていたそうですが今とは全然評価が違いますね。
私も日本には中国に頭を下げてもらいたくはありません。
ゆっくりあの国が傾くのを待ちたいところです。
しかし急激な崩壊は日本に影響がありそうですから避けて欲しいですが・・・。
shinzei拝

shinzei様
習近平の行動が、現体制の崩壊を食い止めるためのつもりが、その崩壊を促進するようなことになりかねないものに見えます。
日本はその影響を大きく受けるでしょうが、それが急激に起こらなければ、それなりの対処ができて被害を最小に留めることができるかも知れません。
問題はそのあとに来る事態がどのようなものであるのか予測が立たないことです。
ソビエトからロシアに変わったときのような程度でおさまればよいですが、もっと激しい混乱があるかも知れません。
中国に詳しい人のほとんどは、崩壊などあり得ないといってはいるのですが・・・。

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