野坂昭如が死んだ
野坂昭如が昨日(12月9日)死んだ。彼の作品をそれほどたくさん読んだわけではないけれど、高校生のときに大衆文芸月刊誌の「小説現代」や「オール讀物」、「小説宝石」などを読み始めて、井上ひさし、五木寛之などとともにいまでも記憶に強烈に残る作家のひとりなのだ。
「火垂るの墓」「エロ事師たち」「骨餓身峠死人葛」などをリアルタイムで雑誌で読んだ。独特の文体とそこからイメージされる世界が、現実以上にリアルに感じられた。
その後終末論をテーマにした月刊誌を発行した。まだ世紀末には間があったけれど、そんなものが流行る時代でもあった。バックナンバーを揃えていたけれど、一年あまりで廃刊になってしまった。あれはどこに行ったのだろう。
「火垂るの墓」を原作とする映画は映画館で観た。一度見たきり二度と見たいとは思わない。これは映画が悪いのではない。映画の描く世界に私が耐えられないのだ。私にとっては実体験のように原作の世界が記憶に刷り込まれていて、最後に死んでいく主人公は私自身そのものだからだ。
そんな風に小説が読めた若い時代に出会った野坂昭如に黙祷。
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