乱れまなこの勝手読み(30)
民主党の参院選向けのポスターのひとつに、「民主党は嫌いだけど、民主主義は守りたい」というのがあるのだ、と報じられた。
民主党に対する好き嫌いが、民主主義を守ることと同じグランドで語られている。確かに民主党は民主的な党だ。だから意見が右から左にたくさんあって、なにも決められない。政党も政治家も、国民のために何が最善かを判断し、それを国民に問うた上で支持を取り付けて主張していく、というのが現実的な民主主義であろう。
では民主的な民主党は国のため、国民のために考えているのだろうか。政権を失ってから、朝日新聞的な、つまり旧社会党的な正義をすべての思考基準とし、国民も国もどうなろうと関係なさそうな言動に終始しているようにしか見えない。
鳩山元総理大臣や、仙谷由人氏をはじめ、世界から日本の位置を引きずり落とすことに腐心した人たちのことについて、党として申し訳ない、という言葉を聞くまでは、民主党になにかを託そうとわたしは思わない。なんなのだ、このポスターは。
民主主義が前提ではない。国民が少しでも良かれと思う方向に国を動かすシステムとして、民主主義がとりあえずベターであろうということでしかない。民主主義が絶対的正義、という思想がなにをもたらしたか、アメリカが世界で反発を受けていることを見れば明らかではないか。民主主義は理念ではなく、システムでしかないのではないか。
中国・北京の国立がんセンターの研究チームが、アメリカの学術誌に発表した報告書によると、中国の死因の第一位は肺がんである。2015年のがんの新規診断例43万件、死者数は280万人だったと推計されているそうだ。死者数は2006年にくらべて74%の増加だという。
肺がんがそれだけ増えていることは、どうしてか、だれにでも分かることだろうし、これからもっと増えていくことだろう。
アメリカのキューバに対する経済制裁が一部緩和されるという。オバマ大統領はもっと進めたいのだが、共和党がキューバの人権抑圧が改善されないからと反対しており、大統領権限でできることだけとりあえず進めたらしい。
これでアメリカから直接飛行機で行けるようになるかもしれない。少し楽になるだろうか。
ところで、キューバが人権抑圧をしている、という共和党の主張は、何を根拠にしているのだろうか。確かにキューバはアメリカ的なグローバリズムが全くない。グローバリズムを展開するためには経済的にもう少し豊かにならなければ始まらないことで、ここまで徹底的に経済的に抑圧されていてはどうしようもない状態で、それをもたらしているのはまさにアメリカなのである。
それを昨年キューバに行って体感した。お陰でみんなが貧しい。それはそれでしあわせに近い。なかなかみんなが豊かになれないときは、誰かだけが豊かであるよりも、みんなが貧しい方が、みんなしあわせに近い気持ちになれるのだ。
これからキューバも誰かだけがしあわせになるようになりそうだ。才覚のある誰かがうまいことをするだろう。キューバの良さがたちまちくずれるかもしれない。
中国の中央規律委員会が、国家統計局の局長を調査しているそうだ。2009年から財務次官補、2012年から財務次官、2015年に国家統計局の局長となった人物で、財務次官時代の不正が問題になっているらしい。つまり収賄容疑である。
中国の国家統計局といえば、あの2015年のGDPの伸び率が6.9%だった、と報告した部局であり、この局長はそのことについて記者会見をした直後に拘束されたそうだ。
この6.9%とという数字について、疑義があることは以前書いたけれど、この局長を逮捕することで、数字のインチキを彼のせいにして、お茶を濁そうとしているのだろうか。まさかね。
EUがシェンゲン協定を見直すかもしれないという。EU内を自由に移動できることを例外的に取りやめ、7カ国ほどが入国審査を再開することになった。期限はとりあえず半年、最大で2年までらしいが、もちろん移民問題が背景にある。これがEUそのものの根幹にかかわる事態であることは間違いない。そしてイギリスは今年早めにEUの離脱を国民投票で問う、という。
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