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2016年1月 7日 (木)

長谷川慶太郎・田原総一朗「2020年 世界はこうなる」(SBC Creative)

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 長谷川慶太郎節(ぶし)に田原総一朗が挑む。世界観はずいぶん違うのだが、田原総一朗は長谷川慶太郎に一目置いており、敬意を払っていることが読み取れる。

 「中国では年間5000万台の自動車が生産され、2000万台が供給過剰だ」といわれるが、「中国で売れる自動車販売台数は2000万台で、3000万台が供給過剰だ」というメーカー筋の話もある。

 経済の成長には4つの条件がある。
第一 民族対立がないこと
第二 農地改革をしていること
第三 教育
第四 民主主義であること

 中国はすべての条件が満たされていないから、経済は必然的に破綻する、と長谷川慶太郎は断言する。破綻がいつどのように起こるかについて長谷川慶太郎はハードランディングを予想しているが、はたしてどうだろうか。

 尖閣問題、南沙諸島問題は中国共産党政府のコントロール下にないと見る。つまり軍の独走だというのだ。これでは戦前の大日本帝国と同じではないか。ということは結末も予測が立とうというものだ。

 AIIBに参加すべしと考える田原総一朗に、長谷川慶太郎はAIIBは中国に私物化されるだけで失敗に終わる、という。AIIBは中国国有大企業の鉄やセメントの過剰な在庫の処理が目的であることは明らかだからであり、しかも融資先の選定が不明朗で不良債権化が必至であると見る。当時の石原東京都知事の肝いりで設立された新東京銀行と同じ轍を踏む、といわれるとよくわかる。

 これらは出だしの部分だけを読んで紹介したもので、まだまだなるほど、そうだろうな、そうだったのか、と思うことがたくさんあげられている。

 例によって多少自慢話の繰り返しが見られるが、先生もお年なので仕方がないのだ。案外面白かった。

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コメント

詳しくはわかりませんが、AIIBを利用してインフラ整備したら中国から資材も人も来て、地元にたいした経済効果もなくインフラ設備は残るものの借金と中国人が残り、長い目で見たらマイナス効果が大きくなるような気がします。

けんこう館様
アフリカなどではそのことでずいぶん反感を持たれているようですね。
中国は日本のように国の借金が多くないので余裕があるから心配ない、と云う人が多いのですが、中国の外貨準備高が急減しています。
資源の購入が減っているはずなのにおかしなことです。
実際はずいぶん苦しいのかもしれません。

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