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2016年2月14日 (日)

前渡不動山(1)

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名古屋の北側、木曽川の南岸に江南市がある。となりの岩倉市を挟んでそのむこうだから、わが家からも近い。中国でただ江といえば長江、つまり揚子江のことで、江南といえば揚子江の南側という意味である。それに倣って、日本では大河である木曽川の南側の街を江南市と名付けたのだろう。

その江南から川を渡って岐阜側へ、つまり尾張から美濃へ渡る橋の一つ、愛岐大橋を渡ればそこが各務原である。各務原の市街に入る手前の川岸は工業団地になっている。さらにその向こうは各務原の自衛隊基地である。航空基地であり、ブルーインパルスの航空ショーが開かれるところなので、知っている人も多いだろう。航空宇宙博物館があるのはそういう場所だからである。

そこよりもずっと川岸に近い、愛岐大橋からすぐのところに前渡不動山がある。海抜90メートル足らずの山で、正式名称は矢熊山という。麓に駐車場があり、営業でこの近くを走り回っているときはそこにあるトイレがありがたかったし、時間調整でここに立ち寄ることもあったけれど、山の上には登ったことはない。

Dsc_7974 登り口

一度上に上りたいと、三十年思い続けて、今回初めてその思いが叶った。

この周辺は鎌倉時代に起こった「承久の変」の戦いの場所である。そのことは後で記す。

登山道の両脇には古人が寄進したと思われる石造りの仏像がたくさん列んでいる。寄進者の名前も彫り込まれているけれど、古いものは摩滅してよく読めない。

Dsc_7975

登り口近くのよだれかけ付きの石像。

Dsc_7977

登山口近くに木像もある。これもかなり傷んでいるが、もうひとつはもう像の体をなしていない。

Dsc_7976

こんな石像もある。不動様か。

Dsc_7995

このように道筋にずらりと並んでいる。いったい何体あるのだろう。

Dsc_8008

つづれ折りの坂道を上り続けると仏眼院というお寺がある。眼病に御利益があるらしい。山門前にはこのように石像がずらりと並んで出迎えてくれる。

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本堂の両脇に仁王が睨みをきかせている。ばちあたりなことだが、格子の間にレンズを入れて撮影。

Dsc_8022

矢熊山は見晴らしがいいので、あたりがみわたせる。左斜め上から右手前にかけて木曽川が流れる。このあたりが古戦場だったのだろう。川向こうは犬山か。小牧も近いはずだが、小牧城がどこか分からない。

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西北側を見れば、先程までいた航空宇宙博物館の青い建物が見える。その向こうは各務原の市街だ。

つづく

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コメント

北海道とは歴史の深さが違いますね

イッペイ様
30数年前、名古屋へ転勤してきて感じたのは、そこら中に歴史で名の知られた場所があることでした。
歴史が残っているのは京都や奈良ばかりではありません。
三重県と岐阜県、そして滋賀県の境あたりには壬申の乱の史跡の場所もありますよ。
これからその辺を調べて訪ねたいと思っています。

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