長谷川慶太郎「今世紀は日本が世界を牽引する」(悟空出版)
悟空出版という会社は初めてだ。
表題は「日本が」となっているが、そのことよりも中国や北朝鮮の危機的状況が、いままで著者のいってきた通りに推移していることを喜ばしげに書いてある本だ。当然韓国はそれに引きずられて破綻する、ヨーロッパもこれからますます衰退する、というのがご託宣である。
それらはそのまま、もしそうならなんとなく痛快であるかもしれない、というこちらの気持ちをくすぐるから、読んでいて実に面白い。しかしある意味でその予想が的中した世界は怖いものがある。こわいけれどもあながち荒唐無稽ではない。そして、こうして想定されてしまったことは、いまさら「想定外」と言い訳することができなくなった。
そのときにどう対応するのか、その後どうなると予想を立てるのか、考えておくことも必要だろう。私ごときが考えてもなんの足しにもならないが、なにも知らず、皆目分からない、こわいこわいとただ震えているのは嫌いだ。死ぬなら死ぬと分かった上で死にたい。
これから起こることで最もありそうなのが、北朝鮮の体制崩壊だという点は私も同感だ。いや、私がそう考える根拠の多くが、著者の意見に影響されているから当然か。さて韓国はどうするのだろう。
このところの歴代の韓国大統領は任期の末期になると反日標榜を強化して人気取りに走った。そうしないと、退任してから厳しい訴追を受けるのが韓国のならいだからだ。分かっていても引退後の運命があのていたらくだから、命がけの反日なのだろう。
ところが、朴槿恵大統領は就任早々反日を掲げてしまって、行くところまでいってしまったから、もうこれ以上どうしようもない。どうしようもないから今のところ黙っているようだ。残っている人気取りは南北統一しかないが、いまは平和的な方法を選択出来ない。となればいっそのこと強引に北朝鮮をつぶしてしまえ、といまは思っているのではないか。
すぐにはつぶれはしない。ちょうど危なくなった頃、彼女は任期満了となる。退場して評論家としていいたいことを言えば良い。彼女の失政に対する非難は、どさくさ紛れにうやむやになるだろう。韓国国民などどうなろうと知ったことか。
彼女が思っている声がそう聞こえたような気がするのは空耳か?
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