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2016年2月12日 (金)

バブルがはじけているのか?

 リーマンショックがきっかけの世界金融危機に対し、欧米は日本円にして60兆円を超える金融緩和を行った。日本は戦力の逐次投入といういちばんお粗末な対応をした。白川日銀総裁が批判されているのはそういうことだろう。しかし金融危機対策はそれでは不足だった。

 それに続いて中国は4兆元(当時のレートで日本円で約50兆円、いまなら70兆円)のお金を投入した。これが結果的に世界の金融危機を救った。右肩上がりの中国にはその余裕があった。世界は中国を評価し、その恩恵に感謝した。

 世界の経済が回復するなか、日本だけ取り残された。そんなさなかに東日本大震災が起きた。無策な民主党とはいえ、震災復興のために巨額の金を投入しないわけにはいかないから、金がつぎ込まれた。民主党政権が自滅し、安倍政権は黒田日銀総裁を選び、遅ればせながら、世界があっと驚くほどの巨額の金融緩和を行い、ようやく世界に追いついた。世界も中国も日本も金がだぶついている。

 まことに粗雑ながら、以上が私の世界経済についての認識である。

 いま世界は同時株安になっている。すべてがシュリンクしているように見える。どうしてこんな事態になっているのだろうか。

 中国が金融危機に対して投入した4兆元の金は、投機に向けられた。それは土地バブルにつながり、シャドーバンキングを膨らませ、貧富の差の急拡大を生んだ。中国政府がそれを是正するために、土地投機にブレーキをかけた。それによりバブル崩壊の可能性が出て来た。投機マネーの受け入れ先をもうける必要があって、中国政府はそれを株投機に振り向けた。中国株の異常な乱高下はその結果である。結局もとのもくあみ、というところだろう。

 まさに世界はこの中国の状況と同じではないか。金融危機対策として巨額の公的資金が投入され、限界ぎりぎりまでの金融緩和が行われた。市場に投入された巨額の金が投機に回り、世界の株価をつり上げてきたのではないか。原油高もそれに便乗したものだっただろう。これらの金は実態経済による金ではない。ただの数字である。

 夢が覚めればそんな絵に描いた金の正体が現れる。世界が不安定化すると、人は夢から覚めてしまう。株などただの信用債権であろう。不安になればただの紙切れである。紙幣だってそうだ。

 どこが世界の信頼の限界点なのか、いま誰も分からない。だから株は下がり続け、銀行は危機に陥り、原油は下がり続ける。

 これをまさにバブルがはじけている、というのではないのか?

 投機とは無関係に生きてきたから他人事で見ているけれど、年金が危機になることはまさかないだろうなあ。無傷というわけにはいかないだろうなあ。

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コメント

浅学ながら、生産と流通が経済の基本と思います。
銀行(金融機関)や商社は補助的な立場なのに、立ち位置を間違えてるように感じます。

けんこう館様
デジタルマネーなどというものにどうしてもなじめません。
裸の王様の世界を感じます。

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