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2016年2月29日 (月)

まさかと思うが

 日本全国の火山活動が活発になっているように感じる。特に最近は九州の火山が文字通りきな臭い。

 これで思い出すのが、数年前に読んだ石黒耀「死都日本」という本だ。小松左京の「日本沈没」が、現実にはあり得ない日本列島の水没という状況を想定して、日本国家と国民がどのように行動して民族の存続を図るのか、というシミュレーション小説であったように、「死都日本」は九州で数万年に一度という、超巨大なカルデラ爆発が起きた場合の、パニック状況と、そのあとに起こる日本の未曾有の危機、そして日本民族の存続のための国家の対処がシミュレーションの形で描かれた本である。

 「日本沈没」は先程も述べたように、現実にはあり得ない事態が実に巧妙に、いかにもあり得るように描かれているけれど、「死都日本」で描かれる超巨大カルデラ爆発は、実際に起こったことがはっきりと分かっていることであり、その痕跡も地質学的に残っている。最後の噴火から7~8000年経過しているとみられるらしい。

 想定外のことが起こることを、東日本大震災で日本人は体験した。あのような巨大地震は千年に一度あるかどうか、といいながら実際に起こったのだ。では超巨大カルデラ爆発だって起こるかもしれない。

 もし過去起きたような大爆発が起こると、長期間世界の気候変動を起こし、農作物は壊滅的な影響を受ける。日本は爆発による直接の人的被害よりも、そのあとの降灰の被害の方がはるかに甚大だと予想される。九州でそのような爆発があれば、ほとんど日本の西半分は、長期間人が住めないことになるらしい。

 まあそんなことは起こらないし、もし起こりそうならその兆候はすでに現れているはずだと思うが、相次ぐ九州の火山活動活発化の兆候のニュースを見て、無責任な妄想をした。

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コメント

私は天明3年に起きた浅間山大爆発の本を読みましたが、
爆発の影響は信濃、群馬、はもちろんのこと、日本のみならず、
日光が遮断されたことで他の国にも影響を及ぼしたということです。
自然はやはり計り知れない怖さを潜んでいますね。

おキヨ様
富士山の爆発でも江戸が降灰でたいへんだったという記録があるようです。
浅間山といえば、鬼押し出しの景色を見れば火山の爆発、自然の力の威力に驚きます。
そういう試練を経験しながら、日本人は生きのびてきたのですね。

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