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2016年3月17日 (木)

こんなところに滞在している

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こんなところに滞在している。風呂場は大きく深く、湯は黒色がかった茶色で独特の臭いがある。天井は高く、大きな梁が通っている。完全な自噴泉の掛け流し、加水も加温もしていない。震災のあと湯量が減り、露天風呂は冬の冷気に冷めてしまうので、四月まで使えない。

鳴子温泉郷は川渡温泉、東鳴子温泉、鳴子温泉、中山平温泉、鬼首温泉の五つの温泉の総称で、いまいるのは川渡温泉の外れ、東鳴子温泉寄りの宿だ。

湯治宿のようだが、残念ながら自炊設備はない。だから食事は食べにでるか、買い出しに行ってそれを温めて食べることになる。お湯を沸かすことは出来るし、電子レンジもあるので、何とかなる。冷蔵庫にビールをしこたま買い込んで、夕方湯に入ったら、そのあとはつまみをつまみながらチビチビとやっている。ビールのあとは地酒の浦霞、まことにうまい。

温泉三昧と読書三昧をするつもりなのに、ついでかけたくなってうろうろし、そうでなければゴロゴロとしていつの間にか寝込んだりしている。

昔テレビで「紅はこべ」という白黒映画を観たけれど、主人公が、「疲れを取ろうとして風呂にはいりたおしたら、却って風呂疲れしてしまった」という台詞があって、それがずっと忘れられない。

「紅はこべ」というのはフランス革命時代に無為に殺される貴族を助ける義賊集団の親玉で、怪傑ゾロのような仮面を被っている。実はイギリスの若い貴族なのだが、その正体が露見しそうになったそのとき、とっさに追及をかわすために言った台詞なのだ。

ストーリーはほとんど記憶にないのに「風呂疲れ」ということばが頭にこびりついてずっと離れないのだ。まさにいま、そんな状態か。

レストハウスはまだ閉まっているのを承知で鳴子峡のドライブインに行ってみる。

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いつもならまだ雪で入れない駐車場は、水浸しながら侵入可。

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展望台への道は雪が残っていて歩きにくい。

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レストハウスはクローズしている。

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有名な鳴子峡の景色。紅葉の時は絶景なのだが。下の遊歩道は雪だらけで、もちろん入ることができない。

買い出しして宿に戻る。

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部屋の窓からの風景。日差しが暖かい。

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角部屋なので、もうひとつの窓からはまだ雪の残る山が見える。

読みかけの本が三冊、たぶん今日中に読み終わるだろう。

次回は、昨日もう一度訪ねた清河八郎記念館の話など。

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