人工知能、洗脳される
マイクロソフトがツイッターをする人工知能「Tay」を開発した。ツイッターを受け取ってそれを学習し、それに基づいて自ら自分の考えをツィートするのである。
ところが十数時間でこの「Tay」のスイッチが切断され、記憶が消去されてしまった。
なんとナチスを賛美し、ホロコーストなんてでっち上げだ、などという意見を言うようになり、下品で読むに堪えないことばを吐き散らしはじめたからだ。
この実験的試みに対して、意図的にこのようなことばを繰り返しツィートして「Tay」に吹き込んだ連中の仕業だということだ。つまり人工知能が洗脳されたのだ。
人工知能が囲碁で人間に勝つ時代である。「Tay」は知識もあり、頭脳の働きも人間よりはるかに高速なはずである。そもそものソフトに欠陥があったのかもしれないが、しかし、このことは考えさせられることだ。
前回、オウム真理教に、知能優れると思われる医者や科学者が加わっていたことについて言及した。洗脳というのは知能の高さ、知識の多寡とは関係ないのかもしれない。却ってそのような人のほうが洗脳されやすい場合もあるのではないか、ということをこのニュースは教えてくれる。
このような洗脳に、簡単に染まらないのが知性というものだと思うが、知性とはあらためてどういうものなのだろうか、と考えさせられた。私が、付和雷同が嫌いな理由はここにあると思っているのだが。
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