宗教の管理
中国では仏教ブームだそうである。人間は強い人ばかりではないから、弱肉強食の世界に耐えられず、宗教に救いを求める人もいるだろう。ほんのわずかな割合でも、中国は全体数が多いから、ブーム、などと言われるのだろうが、そもそもは共産主義と宗教は相容れないはずだ。もちろん中国が共産主義国であるというのは、この思想を確立したマルクスから見たら、噴飯物であろうが一応そういうことになっている。
なぜ相容れないのか、それは共産主義というのも一つの宗教だから、とわたしなどは思っている。そもそも宗教は心の問題である。いくら禁止しても、止められるものではない。
ところが中国政府はチベット仏教や、内モンゴル自治区のラマ教を徹底的に排斥し、僧侶たちを弾圧してきた。多くの僧侶は殺され、寺院は破壊された。もちろん新疆ウイグル自治区のイスラムに対しても同様である。徹底的なな管理の下に置かれている寺院と、それを受け入れた僧侶だけが、許されて活動している。恐怖と暴力で管理しているのである。
思い出すのは、あの気功集団に対する弾圧である。中国政府は、集団行動をとったということでかれらを咎め、多くの人が牢に送られ、教団は解体された。ほとんど日本の切支丹弾圧に近い様相だった。
いま中国は仏教ブームだという。これがとことん管理されたなかでのブームであることは当然であろう。不満の解消にいささかでも宗教が寄与するという読みでもあるのだろうか。そうであるからかろうじて許されているのかも知れない。
近代では、太平天国の乱や白蓮教徒の反乱に見る如く、民衆を糾合して、国を倒すエネルギーのもとになったのは宗教である。それを知りながら、宗教を許さざるを得ない中国政府の恐怖はいかばかりであろうか。
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