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2016年4月 7日 (木)

宮崎正弘「中国、大失速 日本、大激動」(文芸社)

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 著者は、私が中国ウォッチャーとして一目置いており、その本による情報に注目している一人だ。中国に対して超辛口の批判をしているから、中国政府筋などは「妄言」を振りまく輩、とみなしているかも知れない。

 ところが不思議なことに、中国に頻繁に通い、人脈も官民多岐にわたっているのに、その彼の活動が中国側に咎められるようなことはあまりないようだ。それだけ巧妙なのか、当局も手を出さぬ方が得策、とあきらめているのか。

 彼の情報は非常に多岐にわたる。この本でももちろん中国がメインで論じられているが、それ以外に世界中を飛び回って表面に現れた事象をその眼で見て、世界のパワーバランスを読み解きながら、その背景と今後の展開を予測している。もちろん中国を軸にしてであるが。この本ではいままで以上に悲観的な中国の近未来が語られている。それはたぶんほぼその通りに推移する、とわたしは思っている。

 この本でもあまりに沢山のことが次々に語られているので、一つ一つが消化不良のまま置いていかれてしまう。思考のスピードがけた違いに速いのだ。こういう人にはかなわない。こちらはそれをながめながら、ザル頭がかろうじて拾うことが出来たものをもとに、世界はどうなっていくのだろう、などとぼんやり考えている。

 下手な考え休むに似たり、という勿れ。楽しんでいるのだから。

 この本は生ものなので、早めに読まないとおもしろさが減る。しかししばらく寝かせてから、結果と、この本の予測をつき合わせて見る、という楽しみ方も出来ないことはない。

 以前長谷川慶太郎の、毎年年末に出している次年度予測の本を15年分くらいまとめてあとで読み直したら、とても面白かった。

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コメント

おはようございます。
先日は私のブログを見ていただきありがとうございます。
澎湖諸島を経由して中台間の連絡路を作るというお話ですが、
私の述べた日韓トンネルはまさに日本のバブルの絶頂期に言われ始めたと言います。
それを考えれば、今の中国は、当時の日本と同じ状態なのだと思います。
だとしたならば、中国のバブル崩壊が様々な部署に影響を与え始めるのは、私の推測より早いのでは、
と思います。
では、
shinzei拝

shinzei様
全く同感です。
多くの人が感覚的に中国の今後に暗いものを感じているのは杞憂ではないと思います。

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