皮
食べもののことを書いた本を一山積んであって、少しずつ読んでいる。そのなかに、しばしば皮の旨さについて書かれていて共感することが多い。脂の乗った鯖の味噌煮の皮の黄金色に輝いているのなど、見ているだけでよだれが出そうだ(この年でちょっと恥ずかしい)。
魚が嫌いな人がいる。よほど不味い魚に出会ってそれが嗜好の欠陥につながっているのだろう。可哀想なことである。魚が好きだけれど、皮は苦手、などという人がいる。私はそういう人が好きだ。親しければ、その皮がちょうだい出来るからだ。
弟がそのくちで、子供の頃、鯖の味噌煮のときはしっぽ側をよろこび、しかも皮は私にくれる。腹の方が好きな私には都合がいいし、皮も手に入るのだ。善い弟である。ところがライバルが現れた。私以上に魚食いの妹である。幼いときは良かったが、だんだん私とうまいところを奪い合うようになった。だから腹の部分は二つあるから二人で分け合えるものの、弟の皮を私がひとり占めするのは横暴である、と不満を漏らすようになった。可愛い妹であるが、これは譲れない。しかし末っ子は引き下がらないものだ。
ついには交替で弟の皮(鯖の皮ですよ!)をいただくことになった。可愛いけれど、たまに憎い妹になった。いまではその弟も、鯖の味噌煮の皮を「旨い」というようになっている。もちろん旨いと言っているものを、むりやり分けてもらうつもりもないから「そうだろう」と、鷹揚に構えている。
鯛の皮、フグの皮、アンコウの皮、等々、旨い魚の皮が次々に目に浮かぶ。最近読み始めた本(魚谷常吉「味覚法楽」)によると、高級蒲鉾に肉を取って残ったハモの皮を焼き、骨を丁寧に抜き取り、鋏で細く刻み、鯛の皮なますとおなじようにしたハモの皮なますは、初夏から酷暑にかけての関西の総菜に用いられる旨い肴だ、という。
そもそも関東生まれの関東育ち、ハモの旨さを知らないし、食習慣にないから、このハモの皮なますなど、どんな旨さなのか想像出来ない。出来ないけれど、それでもなんとなく旨そうだなあ、と皮好きは思うのである。
鶏の皮も安くて美味いものだ。でもきりがないから、それはそれでまた別に書くことにする。
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コメント
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おはようございます
先日は私のブログを見ていただきありがとうございます。
現実はおっしゃるとおりです。私もそれは認めざるを得ないでしょう。
しかしそのお金で本を買うことで知を得ることができると思えば
多少は慰めになると思います。
うまく書けなくて済みません。
では、
shinzei拝
投稿: shinzei | 2016年4月14日 (木) 07時10分
shinzei様
まあ、ひとはひと、ということでいいのでしょう。
こうであるべきである、などと朝日新聞の論説みたいなことを言ってもしようがありませんから。
投稿: OKCHAN | 2016年4月14日 (木) 09時10分
最近やっと、私も魚の皮を食べるようになってきました。
皮は、猫にあげてました。
投稿: けんこう館 | 2016年4月14日 (木) 09時28分
けんこう館様
猫はあまり皮が好きではないのではないですか?
投稿: OKCHAN | 2016年4月14日 (木) 09時54分