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2016年4月15日 (金)

料理と酒

Dsc_4457 酒と肴・津和野にて

 魚谷常吉氏の和談を集めた「味覚法楽」という本を読んでいる。このなかに料理と酒について書かれているところがあるので抜粋する。

 まず肴と酒の関係を見ると、だいたいこれを二つに分類できると思う。すなわち、第一は酒のための肴、第二は食物をうまく食うだめの酒である。

 第一は酒徒というよりは酒豪に多いので、酒量の多いほど肴を要しないので、ひどいのになると沢庵一切れに酒五合だの、ウニ一舐め二合などというのがある。その反面、食いもしないのに肴を数多く卓上に陳列しなければ承知出来ない連中もある。これらはいずれも珍味を喜ぶもので、味の方面からいうと酒の味を出す辛い系統のもの、あるいは酒を傷つけないような淡泊なものを賞し、濃厚な肴を排斥するのが普通である。量は少ないほど喜び、もし多量に供すると、俺は牛や豚じゃないと放言する。

 第二のうまく食うために酒を用いる手は、案外料理に小言の多い連中で、端本等に美味いものを選ばなければならない。しかも量は少なくとも良いから、種類の多いのを喜ぶものである。 

 これらの両者を酒の立場から見ると、第一の連中は概して辛口を、第二は甘口の酒を喜ぶように思われ、酒の質からいえば、肴の要らぬ連中はいかなる酒でも辛抱はするが、陳列組は、上等の酒でなくては承知出来ないいたって小言の多い連中に多い。第二の組は、酒の質はもちろん上等のものを求めるが、まず料理相応で辛抱する。したがって上等の料理の場合は、必ず上等の酒を要求するようである。これは上等の料理は概してその味が薄いので、くせのない、やわらかい酒がよく調和するので、自然に生まれた現象だと思える。

 最後に、鯨飲鯨食組は動物に近いので、これは問題外にしてさしつかえないと思う。


 どうも私は動物並みらしい。

 そう言えば縁のあった人たちに、酒豪がけっこういた。その人たちの多くが、つまみを一つだけ頼んで、それを置いておくだけで五合、ときには一升呑む。新潟や東北に多い。相手が目上だったり、客である場合は、動物並みの当方としては、一人だけ肴をならべるわけにもいかず、哀しかったものである。

おまけ、津和野のうずめ飯。器は萩焼か。

Dsc_4459

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