またも出ました「このようなことは二度と・・・」
このようなことは二度と起きないように・・・という言い方は嫌いであると少し前に書いた。一度あったことは、ふたたびみたび起こるからで、決意の表れというよりも言い逃れの常套句にしか聞こえない。
三菱自動車も前回前々回のリコール隠しのあとにトップがそのような言い方をしていたように思う。それがまたこの体たらくだ。
ところが今回見たのはいささか違う。あの号泣元兵庫県議の野々村某が、自身のブログで縷々釈明に努めたあと(つまり、いつものようにわけの分からない言い訳をしたあと)、「このような事件を二度と起こさないことや、お一人でも多くの方を幸せにすること、少なくとも人にご迷惑をおかけしないことを誓約いたします」と綴ったそうだ。
この場合の、二度とこのようなことは・・・については、それはそうだろう、と思う。彼がふたたび議員などの公職に就くことなどあり得ない(まさかないと思う)し、それならば政務活動費の着服などけっして出来ないわけで、いっていることは正しい。正しいけれど、そもそも意味がないわけで、この人、ほとんど意味のないことをペラペラとしゃべるだけの、ちょっと頭の構造に問題のある人らしいことは、その言動を見聞きすればすぐ分かる。それなのに議員になれた、というのは選んだ人に問題があるといわれても仕方がないであろう。
「二度とこのような・・」と似たような話として、慰安婦問題の日韓政府の合意のことを思った。「この合意をもって、慰安婦問題を蒸し返さない」と約束した、とマスコミは報道し、そのように日本人は理解した。
29日に別所駐韓大使が韓国の野党の代表と会談したところ、「日韓合意の無効化」を要求され、「新たな交渉を行わなければならない」と言われたそうだ。そしてこの発言内容は党によって公表された。
何度同じようなことを繰り返せば済むのであろうか。「合意」は国と国との約束のようなものである。それを撤回するには然るべき理由と手順があるのが当然だろう。まだ野党の代表の要求ではあるが、韓国のマスコミはこれを大々的に取り上げかねない。すでにそれらしき論調はしばしばニュースに見られる。韓国政府は今のところ「合意」を無効にするような動きはないが、大衆迎合に終始する朴槿恵大統領が、その国民的機運に影響を受けておかしな動きをしないとも限らない。
三重県の伊勢で5月に開かれるG7サミットに、日本は何カ国かの代表を招待している。開催国はG7以外の国を招待することができる。今回は、韓国、ベトナム、ラオス、インドネシアを招待した。ところが朴槿恵大統領はその招待をことわってきた。日程の都合がつかないのだそうだ。もちろん他の国はやってくる。
朴槿恵大統領は日本というアウェイでの安倍首相との会談を恐れているのだろうか。ことわったことをたぶん手柄にするつもりかも知れない。そう勘ぐりたくなる。本当に情けない大統領だ。こういうときこそ自分の主張を述べる数少ない機会ではないか。こんな大統領では「合意」の無効化をやりかねない。いままで韓国歴代の大統領がし続けたように、また約束の反故をして蒸し返すだろう。
そしてそれはすべて日本が悪いからだ、というだろう。もしそうなったら、本当に心の底から韓国が嫌いになりそうだ(まだそうでないのが不思議だが)。たぶん韓国経済は今後当分の間右肩下がりを続けるだろう。それに対処する能力のない政権を戴いていることの不幸を、これから韓国国民は身にしみて実感するだろう。このような呪いのことばを綴りたくなるような、朴槿恵大統領の招待拒否である。
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殆どの企業に外資が入ってることから、韓国には先はなさそうです。
また、日本は援助する羽目になるのでしょうか。
投稿: けんこう館 | 2016年5月 2日 (月) 09時10分
けんこう館様
韓国が然るべき態度に出れば、援助するでしょう。
日本は人が好いし、韓国を追い詰めて中国寄りにすることも得策ではないと考えるでしょう。
その結果、韓国が恩を感じることがないのは同じでしょうけれど。
投稿: OKCHAN | 2016年5月 2日 (月) 09時19分