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2016年4月24日 (日)

万全の対処は無理

 つけっぱなしのテレビをぼんやり見ていると、熊本地震についてのニュースやコメントが多い。報道番組と称するバラエティでも、ああだこうだと地震のことに言及するのは、当然のことではあるが、自治体や政府の対処に対する批評に、それぞれの局やメインキャスターの傾向が顕れているように感じる。

 報道はありのままに伝えていても、現場のどこを選び、だれにインタビューをするかで、ずいぶんその印象が変わる。見ていて思うのは、困難に直面する中で、ひたすら何が足らない、これが足らない、こんなことに困っている、という不満を述べている人を次々に登場させている番組と、いろいろ援助してもらって有難い、感謝している、という意見をこまめに拾っている番組とがあることだ。

 もちろん全部が偏っているわけではなく、適度に混ざっているのだが、傾向があるように感じる。当然不満不足を多く取り上げれば、政府や自治体の対処の不備を批判するコメントをコメンテーターは述べることになる。そうなれば某みのもんたのように、自衛隊はちゃんとやっていない、という暴言を呼ぶことになる。

 曽野綾子なら、こういう災害のときは、まず自助に努めるべきで、救援が成されるのが当然、という意識を抑え、救援されたらそれに感謝するべきだ、というだろう。わたしはそれこそが、人として、特に日本人として当たり前の感覚だったのではないかと思う。

 それを足らないものだけならまだしも、不平不満をひろい集め、それを持って自治体や政府を批判するという姿勢の中に、災害があって批判が正当化出来ることを喜んでいるような気持ちが見え隠れしているような気がするが、考えすぎか。それが日本人の美点を次第に損ない、異常なクレーマーを出現させているのではないか。

 感謝するこころがあれば、自然に今度は自分が助ける気持ちも湧いてくるものだ。誰かのせいにしているとそういう気持ちが失われてしまうのではないか。

 日曜日の朝の関口宏の番組は、毎日新聞とTBSの典型のような傾向で報道しているように見える。友人の一人が、それがとても不愉快だ、と言っていて、わたしも同感だったから、普通はスポーツに関するところだけをときどき見る。今日たまたまその前から見ていたら、政府や自治体への批判が多いと感じた。全部を見続けなかったから偏った見方かも知れない。

 しかし、こんな自然災害に万全で完璧な対処など、出来るはずがない。だから不備を批判しようと思えばいくらでも材料がある。起こったことは起こったこととして、その対処の不備を検証し、次にはどうすべきか考える、と言う姿勢を欠いていれば、ただ批判して自分が上位になった快感を感ずるだけのことではないのか。これでは韓国の反日と同じで、自己満足に過ぎず、なにも前に進まない。

 関口宏に特に強い反感を持っているのではなく、ひとつの例としてあげたので、他意はない。

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コメント

報道ヘリの方がよほど邪魔をしてると思います。そこはいつ反省するのでしょう?

けんこう館様
テレビカメラの邪魔だから、そこにいた子供をむりやりどかせた、ということが問題になっていました。
実は誤解だった、という話になっていますが、はたしてそうでしょうか。
報道の絵にとって邪魔なものは排除されているだろう、と想像出来ます。
彼らが誰かを邪魔だと思うより、被災者にとって報道員がひしめいていることの方がずっと邪魔でしょう。
次から次に被災者にインタビューして、負担をかけている面がありそうです。
報道員は各局の中から代表を選定して人数制限をしてもいいかも知れません。

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