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2016年5月 6日 (金)

中国式非論理的論理

 フィリピンは経済的に中国との関係が大きく、南シナ海での中国の信義を踏みにじる一方的な行動に憤激しながらも、妥協点をさぐらなければならない苦しい立場にいる。フィリピンから、南シナ海問題に対して妥協案が中国に対して提案されたが、中国はそれを一顧だにせず拒否した、と海外ニュースの中国放送は伝えていた。

 いつものあの木で鼻をくくる物言いをする洪磊報道官が、「中国の主権のある南沙諸島の問題に対し、フィリピンが何らかの提案をすることがそもそも違法行為である。フィリピンとはこのことでいままで交渉を一切行っていないのに、このような提案がいきなり行われたことは不当なので拒否した」と述べた上で、「中国は国際的な法を遵守してきたし、それに基づいて行動している」と胸を張った。

 中国の行動は無謬であって正しいのだから、それに反するものは違法だ、といういつもの中国式の論理である。中国の違法合法の基準は外部には存在しないと公言しているのに等しい。つまり国際法など中国には噴飯物の法律で、中国の言うことが法律なのだから、他国はそれに従え、ということであろう。

 アメリカに対してだけはそう言いきれないことは中国にとって残念なことだろう。日本がそれに従わないことにも不快感を示している。アメリカや日本がリードして、東南アジア諸国が同様の姿勢に転じつつあることに、中国は内心で憤激しているだろう。面倒を見ているのに言いなりにならないのは理不尽だ、とでも思っているに違いない。

 そのような考えだから次々に中国から離反するということが理解できないようだ。他者を対等に扱うことが出来ず、相手の立場を考えるという思考様式を持たない国が目覚めることはあるのだろうか。中国がおとなしくなるために、つい中国の経済的破綻を望んでしまうではないか。それは世界に大きな災厄をもたらすことが分かっているけれど・・・。

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コメント

こんにちは
先日は私の文章をご笑覧いただきありがとうございます。
「21世紀は中国の時代だ」という中国に籠絡された媚中派の連中が今でもいますが、
「確かに21世紀は中国の時代かもしれない。しかしそれは人類は21世紀以内に滅び、その原因は中国だ」
という知識人や学者がいます。つまり
「21世紀で人類は中国主体で滅ぶ」
ということでしょうか・・・。
では、
shinzei拝

shinzei様
私は本当は中国を旅することが好きなので、中国が少し貧しくなって、以前のようにゆっくりと中国旅行ができるようになれば有難いのですが。
まあ無理でしょうね。

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