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2016年5月 7日 (土)

支持率回復

 朴槿恵大統領の支持率が、選挙の前後で30%を切り、過去最低にならんだと報じられたが、このたび35.6%にめでたく回復したそうだ。

 これは彼女がアメリカとイランの国交回復を受けて、いちはやく大規模な経済協力をみやげにイランを訪れ、大きなプロジェクトをいくつも決めてきたことが報じられたからである。なんとその規模約4兆円。経済の右肩下がりにある韓国にとっては、大いに歓迎すべき成果と評価されたのだろう。

 韓国はイランからの原油輸入比率が高かったので、イランと韓国は経済的な結びつきが強い。イランは韓国の銀行に巨額な資金を預けていた。韓国の保有外貨の大きな一部なのである。ところがアメリカがイランを経済封鎖したため、韓国にあるイランの資金も韓国で封鎖されていた。

 このたびアメリカの経済封鎖解除に伴い、イランは石油を売ることができるようになり、インフラ整備を大々的に行うことも確実で、ここで始まるいろいろなプロジェクトに参入すべく、各国は次々にイラン詣でをしている。イランは中東で最大の人口を抱える国であり、フル稼働すればサウジアラビアをしのぐ経済規模の国なのである。

 経済封鎖下にありながら、韓国はイランから原油を大量に輸入してきたと言われている。支払いは現金では出来ないから、さまざまな物品がひそかに送られたとみられる。その恩義をたてに、いろいろな約束をとりつけてきたのだろう。あわせて韓国にあるイランの資金の引き上げをしないよう申し入れたに違いない。

 イランにしてみればインフラ整備や工場再開には巨額の資金がいるから、韓国の申し入れは受けられない。然らば韓国にプロジェクトの優先権を約束する、ということになるわけである。

 ところがハンギョレ新聞はこの成果は水増しだ、と報じた。大部分が拘束力のない了解覚え書きであり、実際の契約とはほど遠い。成果を高らかにうたうのは「過大包装である」と批判している。

 例として、今回の成果としてあげられた建設プロジェクト30件を解析すると、了解覚え書きが13件、取引条件協定4件、契約条件交渉3件、業務協力合意覚え書き3件、仮契約2件、その他となっている。これは仮契約の2件を除けば、ほとんど拘束力がない。

 これらは「これからうまくやっていこう」というもので、実際の契約や事業につながるかどうか現段階ではわからない、と記事は伝えている。

 イランは韓国にある資金を必要としているから引き揚げるだろう。いろいろなプロジェクトが仮に成約したとしても、韓国を利するには時間もかかる。韓国経済は輸出が減り続ける事態がずっと続いているが、さいわい貿易収支の黒字も続いているから、外貨はたぶん大丈夫で、あのデフォルト状態のようなことは危機は今のところ心配ないだろう。

 しかし中国経済が今のままで、原油価格でも上がり出すと、国際金融ブローカーのターゲットになりかねない。ある意味で韓国は手頃な大きさの国なのではないか。若者の失業率の異常な高さなどもあり、朴槿恵大統領の支持率はジェットコースターのように上がり下がりしそうな気がする。

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