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2016年5月12日 (木)

燗・ふたたび、その他

 燗について、たいめいけん(泰明軒から独立)主人の茂出木心護箸「洋食や」という本に書いてあった。短いので全文を引用する。


          酒の燗
 何が難しいといったって酒の燗ほど大変なものはありません。それだけに燗がよいとあの店は色気がないし料理も別にこれというほどのことはないが、おかみさんの燗がおれの好みにどんぴしゃなので、ついつい足が向くという常連ができます。昨今では、勘ではなく、科学的にエレキ応用のいろいろ便利な道具も出回っておりますが、これはだいたい風情がない。酒はなんてったって気分で飲むものですから。
 亡くなられた小津安二郎監督さんは、たまに店にみえると、とんかつでお酒がお好きでした。
 小津監督の「東京暮色」という映画を見ていますと、笠智衆さんがおでんや酒を注文するところがあります。
 おかみさんがハイと返事して徳利に酒を入れ燗をする。徳利の底をちょいとさわってお待遠さま。
 見ていた私は、あれではぬるいのになあ、と思っておりますと、おかみさんの台詞「あとから熱いのがついてきます。はじめはぬるいのでやっていてくださいな」。
 商売柄、鵜の目鷹の目で見ているわけではないのですが、大監督ともなればどんな小さいことにも神経がぴんと一筋通っているものだ、とつくづく感心致しました。
 

 まことに酒の燗は難しいし、そこに気が回っている店や、客で呼ばれたときのお宅でそれが感じられるととても嬉しいものだ。さて、では自分は?「科学的にエレキ応用のいろいろ便利な道具」である電子レンジなどを使用して、えらそうにいうな、といわれそうだ。

 さて今晩はちゃんと徳利を使い、湯煎で燗をしようか・・・・しかし紙パックの酒ではなあ。


 明日の晩からNHKBSで「立花登 青春手控え」という時代劇ドラマが始まる。主演は溝端淳平だそうだ。
 原作は藤沢周平の「獄医立花登手控え」で、「春秋の檻」「風雪の檻」「愛憎の檻」「人間の檻」の四巻本として講談社から文庫化されている。藤沢周平の小説の中では好きなもののひとつだ。
 わざわざここに書くのは、以前NHKで連続ドラマ化されたことがあり、とても面白かったから、今回も期待しているのだ。そのときは立花登を中井貴一が演じていた。柔術の得意な牢獄の医師という立場から、彼が出会う犯罪者たちのさまざまな人間模様や人生が描かれる。
 東北・庄内から出て来て、江戸で開業している伯父のところに寄宿して勉強するはずが、いつの間にか叔父の代わりに獄医を務めるようになる。いとこのおてんばなちえに振り回されるのだが、その関係から江戸の若者の世界や庶民の暮らしが垣間見える。
 前回はちえを宮崎美子が演じていたが、今回は宮崎美子は叔母、つまりちえの母親を演じているのが面白い。
 普通、ドラマは前回が面白いと次は期待外れになることが多い(「御宿かわせみ」など)が、今回は期待できそうな気がするのでここで紹介した。

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