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2016年5月 9日 (月)

柳原敏雄「味をたずねて」(中公文庫)

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 著者の肩書きに割烹近茶流宗家とある。料理に関する著書が多いので料理研究家のようである。明治45年生まれ。

 あとがきによると、昭和30年頃から各地の伝統料理や食材をたずね歩き、それを日本経済新聞に連載していた。それを本にまとめたものが出版されたのが昭和40年、そして私が今回読んだのは、昭和56年に文庫化されたものである。

 だからここに書かれている各地独特の料理や、それを食することの出来る場所は、すでに失われていることが多いと想像される。それを意味があるものとして楽しむか、幻となってしまったものなど読んでも仕方がないと思うか、人によるだろう。

 食べ物がテーマではあるけれど、それぞれの食材や料理のルーツについても考察され、しかもその地の風土も紹介されている。写真が適宜配されて、3ページでひとつの話。これを12ヶ月に分けて各月6話から7話でまとめられている。

 過去を偲ぶよすがとしての風物誌として私は読んだ。すでに一度乃至数度訪ねた場所もたくさんある。残されているものもあるけれど、著者が訪ねた頃とは様変わりしているであろう。それを同時に思うことで、いっそうその地についての感懐が深まる気がする。そしてここに書かれた場所を折ある毎に訪ねて、この本の記述を手がかりに、その地を再発見するという楽しみを楽しんでみようと思った。

 機会があれば、この本で知った知識を紹介したい。知っているようで知らないことがいくつもあった。知らないのは私だけなのかも知れないが。

 この本を楽しむにはある程度の年齢の人、まだ日本がいまのようになる前のことを知る人、テレビのない時代も知っている人が向いているかも知れない。今が昔のままあってこれからも同じようにずっとある、とあたりまえに思っている人にはこの本の面白さはわかりにくいだろう。

 本日と明日は所用で不在。いただいたコメントには必ず返事を書くようにしているが、今回は遅れて、早くても明日の晩になると思うのでご容赦ください。

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