不正提供で統計数値の発表を中止?
中国の、統計値を集計して発表する国家統計局の職員が、公式データを私的利益のために不正利用したとして、汚職監視機関である中央規律検査委員会から告発された。
なんと313人(!)が起訴される方向で取調中だそうだ。流用されたのは原油や金属に関するデータだという。
実は中国の統計局の統計値のうち、この原油や金属だけではなく、石炭や鉄鋼、電機に関するデータも年初から発表が停まっている。昨年秋から停まっているものもあるそうで、すでに統計局の局長は解任されている。
先日、高橋洋一「中国GDPの大嘘」という本を紹介したばかりだ。中国の統計値は矛盾が多く、信用しかねる、と伝えたが、今回の統計局職員の大量摘発はどういうことだろう。
インサイダー取引に似た、情報のあつかいの不正が摘発されたかに見える。しかし統計値が流用されたからといって、だれにどれほどの利益があるのかよくわからない。
それよりも、そもそも統計値を操作していたことを隠蔽するための措置のにおいがしてしまうのは、あの本を読んだからだろうか。
それとも、統計値そのものが、いちじるしく中国経済の悪化を表しているために、こういうわけのわからない理由を、統計値の発表取りやめの口実にしているのかも知れない。もしそうなら中国は深刻な事態なのではないか。
あまり嬉しそうにそんな勘ぐりを書いてはいけないかな?
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今日、耳鼻科の待合室で読んでた週刊誌情報ですが、漢人が王朝になったのは、漢、明、中国共産党
くらいで、華やかな中国のイメージがあるものは他民族が支配していた時のようです。
投稿: けんこう館 | 2016年5月 6日 (金) 19時33分
けんこう館様
そもそも漢民族も日本人とおなじようにいろいろな民族が混交しています。
唐の時代のように、異民族が差別されずにのびのびと交流できていた時代もありました。
中国が日本のように近代への脱皮に成功しなかったのは、西洋列強の侵略に原因があるとも言えます。
歴史はあざなえる縄の如し、といいますが、因果は巡る風車、驕る平家は久しからず、アメリカも中国も衰退の兆しがあるように思います。
投稿: OKCHAN | 2016年5月 6日 (金) 20時46分